愛宕1丁目目交差点近くに、汁なし担々麺店「紅蠍(べにかつ)」(港区西新橋3、TEL 03-3436-2455)がオープンして1カ月が過ぎた。経営は、都心で複数の飲食店を展開する「さつまそば」(港区)。店舗面積は10坪。席数はカウンターのみ9席。
同店は、同社が年末からの展開を予定している開業支援事業のモデルケースに位置付ける店。「やめたら何も残らない既存のフランチャイズ事業と違い、店舗を増やさず家族を巻き込まないことを念頭に、いわゆる自分だけの店を持ってもらうことを第一に考えた事業」と竹下光隆社長。脱サラ、定年退職者などをターゲットに、席数10席未満の汁なし担々麺店の開業を支援する。同社はレシピや調理のノウハウを提供するが、屋号、開業場所、ユニホームのデザイン、営業時間、休業日などについては、全面的にサポートするものの、最終的な決定権はオーナーが持つ。新メニューの開発や近隣にライバル店が出店した際の戦略など、開業後の相談も長期にわたって受け付ける。
汁なし麺を中心にメニューを構成したのは「技術や経験が必要なスープ作りの工程を省くことで、仕込み時間が大幅に短縮できるから」だという。「担々麺は普通のラーメンより高級感があるので価格を高めに設定でき、利益にもつながる」とも。油そば用のタレはトッピングの角煮を作る過程でできたものを流用し、サイドメニューにはゆでて出す「水ギョーザ」(6個、290円)を選ぶなど、効率を重視したメニューの開発も。
同店が提供する麺メニューは「汁なし担々麺」「ジャージャー麺」「辛 ジャージャー麺」「油そば」「辛 あぶらそば」(以上880円)、「白ゴマ担々麺」(900円)、「冷やし担々麺」(950円)。辛いメニューは、辛さを3 段階から選べる。麺は製麺会社に依頼して作った。「ラーメン用の麺とさぬきうどんのコラボさせたオリジナルの麺。うどんより短いゆで時間(約3分半)と、モチモチした食感が特徴」(竹下社長)。麺メニュー注文客には先に「肉みそもやし」を提供する。「待ち時間を長いと感じてほしくないための工夫。半分は先に食べて、残りは麺に混ぜて食べてほしい」とも。
営業時間は11時~21時(土曜のみ15時まで)。日曜・祝日定休。