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新橋の老舗江戸前ずし店、1年半ぶりに再開-ビル建て替えで

モダンなビルに合わせ、現代的な店構えとなった金兵衛

モダンなビルに合わせ、現代的な店構えとなった金兵衛

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 老舗江戸前ずしの「寿司處 金兵衛」(港区新橋1、TEL 03-3571-1832)が4月、1年半の休業を経て営業を再開した。休業は入居するビル建て替えのため。

こだわりのカウンターと店内

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 同店は昭和34(1959)年創業。初代は16歳から銀座で修業した腕利きのすし職人。二代目・三代目は、「金兵衛の息子ならうちでは使えない」と修業を断られるほど銀座・新橋かいわいでは知られた存在だったという。すしは「生きたすしをにぎれよ」という初代の言葉を守る生粋の江戸前。

 建物老朽化のため、2011年10月末で同店と隣の小料理店「世津」を閉店。自社ビルを建て替えた。新ビル落成を機に三代目の植田和利さんが店主になった。世津は植田さんの母の店。同店は閉店し、母は現在、金兵衛を手伝う。

 新店舗は、世津があった部分を統合し、8坪に拡張された。港区の条例に倣い、バリアフリーのゆとりある設計に。席数は以前と同じカウンターのみの8席。こだわりのカウンターは木曽ヒノキの一枚板を使用。厨房側のカウンターには以前の店で使っていたヒノキの板を削り直して再利用した。

 「特にこだわったのは、カウンターに備え付けたオリジナルの保冷庫」と植田さん。氷で冷却するこの保冷庫は、ネタをほどよい湿度と温度に保てるという。投資金額は「普通乗用車1台分くらいした(笑)」。

 メニューは、お好みのほか、セットは7,350円(にぎり7貫・巻物1本・わん)から。お好みは1貫からにぎる。特に女性に人気という「玉(ぎょく)」は、殻付きの芝えびをむき、たたき、当たり鉢で当たったものを、ヤマイモなどの「つなぎ」と一緒に「一枚焼き」にする。「手間がかかるため、1日12人前しか用意できない」。このほか、自家製のコハダ、江戸前ずしに欠かせない煮ハマ、羽田沖で獲れる穴子などが定番。

 休業期間中は、すしや魚の卸し方の講師を務めたり、パーティーなどへ出張調理の依頼を請けたりしていたという。植田さんは「お客さんたちが再開を喜んでくれた」と顔をほころばせる。中には同店のすしにこだわり「1年以上すしを食べていない」という客も。

 営業時間は17時~23時。土曜は4人以上の予約のみ。日曜・祝日定休。

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