「日本酒の日」で道行く人へ振る舞い酒-500人が升酒を堪能

地酒を振る舞う日本酒造組合中央会の関係者ら。「季節と関わりの深い酒の文化的役割を知ってもらいたい」と振る舞い酒を始めたという。

地酒を振る舞う日本酒造組合中央会の関係者ら。「季節と関わりの深い酒の文化的役割を知ってもらいたい」と振る舞い酒を始めたという。

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 日本酒造組合中央会(港区西新橋1)は10月1日の「日本酒の日」を祝い、同組合ビル1階「日本の酒情報館」前で、道行く人々に振る舞い酒を行った。同館前には時間前から日本酒好きの人々が大勢並び、午後と夕方のひとときに和やかな情景が広がった。

「日本酒の日」を祝い、鏡開き

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 「日本酒の日」は1978年に同組合が定めたもので、以来、毎年10月1日に振る舞い酒を行っている。30周年の節目となる今年は、例年200個用意する刻印入りの升を300個用意。この升を集めているコレクターも多く、年々増え続けている参加者に喜ばれた。

 当日は正午と17時の2回、同組合の山本純一常務理事と「日本酒スタイリスト」の手島麻記子さん、同・島田律子さんの手で鏡開きが行われた。約500人に振る舞われた四斗樽の酒は都内産の地酒。「おいしいと喜んでもらえるものを用意した」(日本酒造組合中央会担当者)。300人以上が並んだ夕方の部は、先頭の「日本酒愛飲家の皆さん」(同)のほか、近隣のサラリーマンやOLなどが列をつくった。

 小伝馬町のIT企業での内定式後に駆け付けたという大学生グループ8人は、「ネットで見つけた。いい門出となった」と全員で記念撮影。たまたま通りがかったという男性会社員は「何の行列だかわからないまま並んだ」といい、日本酒が無料で飲めると知ると「本当ですか」と大喜びした。研究のためアメリカから来日しているという大学教授のショーン・ハケットさんは「銀座にあったときからの常連。再来日で移転したことを知り、ネットで探し当てた」と、うれしそうに升酒を味わっていた。

 今年はさらに同組合が銀座から西新橋に移転して10年目に当たることから、「30年と10年を足した40番目の方に記念品を進呈する」サプライズもあった。記念品は秋の季語でもあり、これからが旬の生酒「ひやおろし」2種。40番目の好運をつかんだのは、大森から訪れた会社員・高野真理子さん。「イベントのことは新聞で毎年目にしていた。日本酒が好きなので興味があったが仕事が休めず、これまで来られずにいた。初参加した今年にこんなことになり、驚いている」と笑顔で話していた。

 日本酒造組合中央会は常時約50種の日本酒を販売するほか、5銘柄を525円で試飲できる「利き酒」が楽しめる。日本酒にまつわる情報展示や、漫画を含めた6千冊の関連蔵書のライブラリーの一般公開も行っている(要予約)。

 開館時間は10時~18時。土曜・日曜・祝日休館。

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