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虎ノ門の老舗そば店「砂場」が曳家で移動 10年前には登録有形文化財に

移動前(左)と移動後の店舗写真

移動前(左)と移動後の店舗写真

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 虎ノ門の老舗そば店「大坂屋 砂場 本店」(港区虎ノ門1)が2月15日、敷地内の建物を曳家(ひきや)工法で移動させた。

曳家の様子

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 1872(明治5)年に創業し、現在は6代目の稲垣隆俊さんが店主を務める同店。そば粉とつなぎの割合が10対2となる「外二(そとに)そば」を提供する。近隣で働く人だけでなく、週末になると虎ノ門エリア外から訪れる人でにぎわうなど、創業から140年を超える現在でも人気老舗そば店として広く親しまれている。

 木造2階建てで、瓦で葺(ふ)いた屋根(瓦葺屋根)が使われている店舗は1923(大正12)年に建てられた。2011(平成23)年に国から登録有形文化財に指定されたが、都道「愛宕下通り」の拡幅工事に伴う曳家(ひきや)工事のため、昨年8月に一時閉店。翌9月から約200メートル離れた仮店舗(同区西新橋1)で現在も営業を行っている。

 この日は雨が降る中、8時30分から曳家工事を開始した。約1時間かけて3メートルほど西の方角へ建物を移動。周辺には工事関係者のほか通行人なども見られ、スマートフォンで工事の様子を撮影する人の姿も見受けられた。

 虎ノ門で働く40代男性の一人は「街のランドマークとなっている砂場の建物を守るための工事を今回、じかに見られたことが感慨深かった。江戸三大そばと称される砂場のそばを、早くまたこの建物で味わいたい」と話す。

 仮店舗での営業は来春までの予定。

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