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「不便になった」-けいきゅう新橋閉店に戸惑う市民、新店舗の行方は
(2010年03月05日)
JR新橋駅高架下で55年間営業してきた「けいきゅう新橋店」が閉店し、1カ月が過ぎた。地元住民や飲食店の「台所」としても長年親しまれていた同店閉店の影響は思いのほか大きいようだ。再開を望む声が大きい中、何らかの形での運営も模索されている。
同店は1955(昭和30)年に開店。汐留地区の再開発や消費者動向の変化に対応するため2006年6月には全面改装し、「FINE FOOD MARKETけいきゅう新橋店」としてリニューアルオープンした。店舗と利用客との距離感も近く、「店の人がみんな親切」「品ぞろえがちょうどいい」など地元に根差した店として好評を得ていた。
今回の閉店は、新橋駅工事計画に伴うJR東日本からの要請に基づくもの。計画の進ちょく状況についての質問に、同社広報担当は「建物の耐震化とエレベーター設置などのバリアフリー化を目指していると聞いている。テナントが退去したあと調査を行い今後の計画を立てる予定で、現段階ではいつからいつまでという具体的なスケジュールはまだない」との回答を寄せた。
JR新橋駅では、昨年秋口より構内の店舗閉店が続いており、9月末には銀座口のドトールコーヒーと新橋駅書店も撤退。今年1月末にはけいきゅうストアが閉店し、個人ブログでも数多く取り上げられるなど話題を呼んだ。閉店した書店は戦後間もない1949(昭和23)年に開店した老舗だった。張り出されたあいさつ文には哀愁も漂い、人目を引いていた。
新橋近辺は居住者がいる割にスーパーがなく、お台場からもゆりかもめで同店まで買い出しに来る人も少なくなかったという。新橋の旅行代理店に勤務する男性は「知り合いのおばあちゃんが『電車に乗らないと買い物ができない』と嘆いている。京急は店の人が親切で、商品価格帯も新橋に暮らす人にとってちょうど良かった。全面改装してからまだ間もないのに…」と閉店を惜しむ。
兄弟で新橋にバーを出店して7年という男性は「いつも店で出す果物を買いに行っていた。飲食店経営者はみんな困っていると思う」。新橋在住の子どもを持つ女性は、「銀座のデパートや『肉のハナマサ』まで足を伸ばさなくてはならなくなり大変。京急は何でもそろっていて手軽に買物できた」と閉店後の不便さを訴える。
一方で、閉店により恩恵を受けるケースも。いわき市のアンテナショップ「いわき・ら・ら」(ニュー新橋ビル内)では、産直品の売り上げが急増。同市職員の若松さんは「近隣の飲食店オーナーからも『野菜をそろえてほしい』という要望もあり、野菜の仕入れを増やした」と、思わぬ余波に笑顔がほころぶ。
けいきゅうストア新橋店の今後については、同じ京急系列のウィング新橋(新橋2)での再開が検討されているという。同店と同日に閉店したケントハウスの店舗跡が候補地と見られるが、店舗面積は以前の10分の1程度。広報担当者は別ブランドによる展開の可能性も示唆している。詳細は3月末ごろに発表される見込み。
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