待望の「ねじキューピー」再入荷に長蛇の列-2時間で完売

いつもは静かな三和鋲螺前が人でいっぱいに。

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 神谷町のねじ専門店三和鋲螺(港区虎ノ門4)で6月8日正午、入荷が待たれていた「ねじキューピー」の販売が始まった。テレビや新聞で紹介されたことも人気に拍車をかけ、用意した千個の「ねじキューピー」は2時間余りで完売した。

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 昨年9月の発売以来、近隣のOLらを発端に口コミで話題となってきた「ねじキューピー」は、三和鋲螺の三代目・石井健友さんが企画した「地域限定キューピー」の一つ。あまり表舞台に出ることのないねじ業界の活性化のためと、自らの遊び心で考案したものだ。今年3月と5月にバラエティー番組「モヤモヤさまぁ~ず2」(テレビ東京)で取り上げられた影響で品薄が続き、入荷日には購買者の列ができるようになった。

 今回は過去3回の入荷の倍に当たる2千個を工場に発注。8日の販売初日に向け、石井さん夫婦と妹の詠子さん・佳世子さんが手作業でキューピーの本体にねじなどの飾りを施し、人気の「ねじキラリ」200個をはじめ、各キャラクターを平均100個ずつ作成。予定販売数より多い千個を仕上げた。本業に影響が出ることを懸念して休店日である日曜日を販売初日としたが、店の前には午前10時過ぎから「ねじキューピー」を求める人が並び始め、午後2時にはほぼ完売した。

 購入者の7割は男性客。年齢層はさまざまで、高級車で乗り付けて列に並ぶ人の姿も見られた。店の外では詠子さんが整理券とメニューを配り、客を誘導。「少しでも多くの方に行き渡るように」(石井さん)と、販売は1人2個までと制限したが、中には家族総出で来店し、いくつも購入したり、「高知や九州の知人に頼まれた」と往復したりする人もいたという。

 残る千個の在庫は、装飾が完成したものから順に1日あたり約100個ずつ販売する予定で、「14日の土曜日には新作『ねじワッシャー』も並べられれば」と石井さん。「ねじワッシャー」は、「モヤモヤさまぁ~ず2」の取材の際、「さまぁ~ず」の大竹一樹さんと三村マサカズさんからアドバイスを受けてできたキャラクターで、すでに告知していることもあり、問い合わせや発売を待ち望む声も多い。14日の発売予定日にも購入希望者の行列が予測されており、他のキューピーもこの日をもって完売となる見込みだ。

 地域限定キューピーの企画制作を請け負うオンリーワン(大阪市)によると、一般的に地域限定キューピーは完売までに数カ月を要するといい、「ねじキューピー」の人気は特異な例という。石井さんは「あまりブームに流されず、ゆっくり作り続けたい。人気が落ち着いたら『ねじキラリ』の色違いバージョンも手掛けたい」と冷静に受け止めている。「ねじらしく金属で作ってみては」という意見もあるが、「携帯を傷つけないようにしたい」(石井さん)と、ソフトな素材を使う意向も変えていない。

 現在はまだ「ねじキューピー」の在庫があるが、これを完売した後の入荷は8月初旬になる見込み。

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