「昔、新橋に牧場があった」-中沢フーズ、歴史を振り返るブランド発表

明治41年に新橋・烏森に建てられた中沢グループの本店

明治41年に新橋・烏森に建てられた中沢グループの本店

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 乳製品の製造販売を行う中沢フーズ(港区新橋1)は7月21日より、新ブランド「中沢牧場」から「中沢牧場 のむヨーグルト」の販売を同社直営のカフェで始めた。同ブランドは140年前の同社創業当時新橋駅前にあった牧場をしのぶもの。

かつて新橋に牧場があった頃をイメージした「中沢牧場」シリーズ

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 中沢グループ創業者の中澤惣次郎は「時代は変わる。これからは洋食だ」という発想のもと、明治元年、洋食に欠かせない牛乳作りを志したという。イギリスから乳牛のホルスタインを輸入し、現在の新橋駅前から汐留にかけ設営された同牧場は、東京初とされる。

 明治2年、新橋~横浜間に日本初の鉄道が敷かれることにより、牧場は築地小田原町、広尾、目黒競馬場横などに次々と移転。明治末期には新橋・烏森に本店をオープンするが、関東大震災で店舗が崩壊するなど時代の受難は続いた。

 それでも鹿鳴館をはじめとする洋食ブームに乗り、牛乳やクリームの需要は高まった。大正末期にはアメリカから輸入した遠心分離式生クリーム製造機により、本格的な生クリームも誕生。昭和2年には新橋にミルクプラントを建設した。以降、品質向上と洋菓子界の底力として尽力したという。現在工場は神奈川県藤沢市に移転。自社牧場は持たず、品質を管理した契約酪農農家から材料を仕入れている。

 今回歴史を踏まえて立ち上げた商品ライン「中沢牧場」は、牧場があったことを広く知ってもらいたいという中澤康浩同社社長の思いなどが込められているという。第一弾の「中沢牧場 のむヨーグルト」(140グラム=200円、450グラム=500円)は、「原点に返り、無駄なものを取り去った商品」(同)という手作り。大量生産ができないため、週40本を同社の「中沢プロモーションカフェ フルーゼハウン」で限定発売とした。

 新商品の発売時期などは未定だが、同ブランドはシリーズ化していく予定。今後同社の通販サイトでも取り扱うという。

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