3月11日、多くの帰宅困難者が発生した新橋。その後も多くの飲食店が苦汁を飲んだ。そういった影響なのか、震災以降は安さを売りにする飲食店の記事が上位に目立った。1位になった「tama@94(タマクシ)」の記事も、売り上げ停滞を打破するため考案したステーキの発注を間違えたことを伝えるもの。人気メニューとなったものの、やはり黒字化は難しく、店主の体調悪化も伴い12月22日で閉店した。
ランキングは、今年1月1日から12月27日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。
1. ニュー新橋ビルのそばめし店、発注ミスの「特大ステーキランチ」が人気に(6/17)
2. 元「お天気お姉さん」、新橋駅前ビルにバー開業-タレント業と兼務で(2/16)
3. 「大つけ麺博」今年も浜松町で開催へ-過去最大32店が参加(9/20)
4. 新橋にバール「俺のイタリアン」-三つ星シェフが調理、ピザ専用の石窯も(9/30)
5. ゴールデンマジック、新橋に63円均一の焼鳥店-313円飲み放題も(8/9)
6. 魚金の名物スタッフ「まっちゃん」が独立-新橋に立ち飲み店(2/26)
7. 新橋の立ち飲み店、椅子の有料化で義援金-初日は100%「着席」(3/15)
8. 魚金グループ、新橋に3店舗目のイタリアン-「魚金ほんよこ」から業態転換で(3/11)
9. 天丼、エビ天5本付きで500円-ニュー新橋ビルに「天丼あきば」(6/3)
10. 港区、いわき市への救援物資など募集-いわき市の救援要請で(3/24)
震災直後から客でにぎわい、影響を感じさせなかった魚金グループからは記事2本がランクイン。昨今新橋でオープンする飲食店の多くが魚金グループを意識し、ビジネスモデルとして参考にする風潮も生まれている。
復興支援関連の記事も7位と10位に入った。港区といわき市が友好都市関係を結んでいたことと、ニュー新橋ビルにいわき市東京事務所が入居することから、新橋駅前のSL広場でも多くの復興イベントが行われた。同ビル1階にあったいわき市のアンテナショップ「いわき・ら・ら」は3月末閉店の予定を繰り上げ震災当日に閉店。従業員らを地元いわきへ帰した。
古い建物が多いため、ライフラインへの影響も少なくなかった新橋。震災後閉店した飲食店は取材対象以外にも多く見られた。企業やビル所有者は想定される帰宅困難者の受け入れ態勢や備蓄などの準備にも追われたという。
2014年完成予定の環状第2号線道路建設計画など、今後も大きな変化が見込まれる新橋エリア。新橋経済新聞では、これからもローカル目線で街の変遷を伝えていきたい。