浜松町に江戸時代の商船「北前船(きたまえぶね)」にちなんだ居酒屋「北前海鮮問屋 三番船 ハ印(はじるし)」(港区浜松町1、TEL 03-6450-1715)がオープンして1カ月が過ぎた。場所は「幻のそば屋」として話題となったが、2003年に閉店した「そば深山亭」跡。
経営は酒屋を営むハ印(はじるし)商店(秋田県にかほ市)、運営は飲食店の企画経営を行うエイチワイシステム(港区)。ハ印商店社長の佐藤尚士さんは北前船の一つ「三番船 ハ印」の子孫に当たる。北前船は1790年代ごろから約100年にわたり、日本海~瀬戸内海を運行した買積船の呼称。
店舗はそば店時代の建物をそのまま利用した地上3階建てで、延べ床面積は115平方メートル。1階は定員24人の立ち飲みエリア、2階・3階は住居だったスペースを使った個室7室を含む座敷15卓60席を用意する。
メニューは北前船の寄港地の中から、主にハ印商店のある秋田や山形の素材を直送。その日の魚介で作る「北前舟 漁師さんのサラダ」(780円)、魚介の串焼き「海の男の海賊焼き」(800円)、「漁師の船場汁」(350円)などの漁師風の料理が並ぶ。そのほか、秋田の老舗稲庭うどんを使った「ぶっかけ稲庭うどん 佐藤養助」(850円)や、秋田庶民の味「ババヘラアイス」(300円)などの秋田名物も。
「魚介は函館港から直送されるため、トキザケ、ソイ、ホッケのたたき、カレイの刺身なども低価格での提供を実現できる。ホッケなどの干物類も人気」と店長の国仲さん。イカ1杯を丸ごと刺身にして肝とあえて食べる「いかのバカうま喰い」(680円)や、10種類ある自家製塩辛類(450円~)は「特におすすめ」。
ドリンク類は、秋田の酒屋ならではの秋田の地酒を厳選。「秋田全41蔵元の中から、メジャーな銘柄だけでなく、季節限定のものや、東京ではなかなか出回らない稀少な地酒も用意している」(エイチワイシステム広報担当者)という。
オープンして1カ月、利用客は主に近隣のサラリーマン層が中心。「品質と価格が喜ばれている。想像以上の反響と、コンスタントな売り上げで目標を超えそう」と担当者。今後については、「同エリアでのドミナント出店はないが、都内の路面の居抜きがあれば同じブランドで展開していきたい」(ハ印商店)という。
営業時間は、ランチ(月曜~金曜)=11時30分~14時30分、ディナー=17時~23時30分。日曜・祝日定休。