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霞が関で学生開発の燃料電池自動車試乗会-中川文部科学大臣も乗車

燃料電池自動車「OSU-T4」に試乗する参加者

燃料電池自動車「OSU-T4」に試乗する参加者

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 霞が関コモンゲート「霞テラス中央ひろば」(千代田区霞が関3)で1月13日、大阪産業大学(大阪府大東市)と文部科学省共催による燃料電池自動車「OSU-T4」の試乗イベントが行われた。

「OSU-T4」のリアスタイル

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 同燃料電池自動車は同大生によって部品から企画開発されたもの。4代目となる同車は公道走行が可能なナンバープレートを取得した。ナンバー取得はメーカー以外の組み立て車としては日本初。プロジェクトを指導する工学博士の山田修教授は「公道走行できる車は作ることよりも1500ページ前後もある法令を読み、それに合うように製作することが大変。申請書のフォーマットもなかった」と苦労を振り返る。

 同大では80年代ごろからプロジェクト教育としてクリーンエネルギー自動車の開発を開始。これまで製作した作品は、レモン汁で金属を酸化させて電池とする「レモンカー」、バイオディーゼル燃料で走行する「天ぷら1号」、映画「のび太と雲の王国」(1992年)のキャンペーンソーラーカー「ソラえもん号」、乾電池で走る「OXIRIDE RACER」など多数。同プロジェクトに参加したいと入学する学生も少なくないという。

 同大の燃料電池自動車開発は、2003年に製作した燃料電池搭載型マイクロビークル「FCMV-1」を皮切りにスタート。部品一つから学生が設計し、メーカーの力を借りずに進めてきた。2005年には2号車「FCMV-2」、2007年には公道走行に向けた実験車両としてボディーサイズを大型化した3号車「FCV-3」を完成させた。3号車ではオーストラリア大陸3000キロ縦断なども敢行。完走を果たした。

 この日披露された「OSU-T4」は、全長383センチ×幅176センチ×114センチ、重量720キログラム。コンパクトカーサイズのフォルムはスポーツカーをイメージ。フロントガラスと屋根はなく、シート背面部にルーバーを装着。法規上の規制がなかったため、ドアは省略した。乗員は2人で、最高時速80キロ、航続走行距離は200キロ。水素タンク容量は70.8リットルで、35気圧の水素を充?(じゅうてん)する。

 当日は中川文部科学大臣(当時)とプロレーサーの神子島みかさんも来場。中川大臣は神子島さんの運転で広場内を試乗した。昼過ぎには官庁街や近隣のオフィスに勤める人々も多数参加。学生の運転による燃料電池自動車の試乗を楽しんだ。工学部機械工学科3年の西峯弘泰さん(20)は「大臣に『よく頑張ってね』と言われてうれしかった。将来はこの経験を生かし、教員を目指したい」と目を輝かせた。

 燃料電池自動車は化石燃料自動車に代わるものとして世界が注目している次世代自動車。水素を燃料とし、排出されるのは水のみという超エコカー。同様のコンセプトの電気自動車に比べ、1回の燃料充填で走行可能な距離が飛躍的に長いのが特徴。山田教授は「水素をどう作り出すかが今後の課題。原発や化石燃料で作った電気で作りだすのなら意味はない。バイオマス燃料などでできれば理想」と話す。「次は日本一週できる燃料電池自動車を作りたい」とも。

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