「新橋大盤将棋」名人戦-名人位2連覇で「大トロフィー」に王手

「最近は4段以上の強い人ばかり」という新橋大盤将棋。山形の天童に特注した大盤サイズの将棋盤と駒も名物だ

「最近は4段以上の強い人ばかり」という新橋大盤将棋。山形の天童に特注した大盤サイズの将棋盤と駒も名物だ

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 新橋駅前のニュー新橋ビル前(港区新橋2)で6月6日、「新橋大盤将棋」で年に一度の名人戦が行われた。

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 新橋大盤将棋は、4月上旬から11月上旬までの毎週土曜日に行われており、今年で37年目を数える「新橋の名物」。名人戦は15年前から年に1度行われるようになった。主催はニュー新橋ビル商店連合会で、SL広場の「古本まつり」実行委員でもある鵜沢郁夫さんと学生らが現場を運営する。

 今年の名人戦参加者は約100人で、「例年に比べると少なめ」(鵜沢さん)だという。この日は5月9日~30日に行われた予選を通過した人たちが、名人位を懸けて対局した。

 参加者のほとんどは、20年以上毎週通い続けているという常連ばかりで平均年齢も高め。大盤将棋のために毎週新橋に通う人や遠方からの参加者もおり、中には真剣な面持ちで参加する若者の姿も。設営を手伝う早稲田大学将棋部の野口直樹さんは「何度か常連さんと対戦したが、強い人ばかりで何度も負けている。おじさんたちとすっかり仲良くなったので、今日は遊びがてらに来た」と話す。

 当日は午前中小雨がちらつくあいにくの天候で延期が危ぶまれたが、「予報では昼には雨が上がるはず」とあきらめずに待機。願いが通じて予報通り開始時刻の12時前に空は明るくなり、この日を心待ちにした参加者は胸をなで下ろした。

 名人位を手にしたのは横浜市の萩原浩さんで、昨年に引き続き2連覇を成し遂げ、タイトルを保持した。「7年ほど参加しているが、今年は持ち時間などの面で運が良かった。最初は盤の大きさに戸惑ったが今は慣れて楽しい。連続優勝はなかなかいないのでうれしい」と笑顔を見せた。2位の金沢靖明さんは「最近勝てなくなったが、20年前ごろには優勝したこともある。今回は久しぶりの入賞」と喜んだ。3位の大谷英男さんは名人戦1~3回目の覇者。「3連覇した15年前はまだ若かった。優勝ではないがうれしい」とほおを緩めた。

 優勝者には、同会副会長の辺見勲一さんからトロフィーと賞状、手動かき氷器、フライパン、洗剤などの副賞を、2位・3位にもそれぞれ賞品が贈呈された。3連覇を成し遂げた名人には大トロフィーが用意されており、萩原さんが来年もタイトルを保持すれば授与される。授賞式後にはそれぞれが大きな紙袋を手に「こりゃあ持って帰るのが大変だ」と笑顔で広場を後にした。

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