浜離宮恩賜庭園「松の御茶屋」、難工事終え完成-内部見学も検討へ

周囲との調和が美しい「松の御茶屋」。天候にもよるが、通常日中は雨戸を開ける

周囲との調和が美しい「松の御茶屋」。天候にもよるが、通常日中は雨戸を開ける

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 浜離宮恩賜庭園(中央区浜離宮庭園1、TEL 03-3541-0200)で復元工事が進められていた「松の御茶屋」が12月26日、全工程を終え完成した。

「松の御茶屋」を「潮入りの池」の対岸から見た大パノラマ

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 「松の御茶屋」の完成予定は昨年秋ごろを見込んでいたが、細かい作業などもあり、12月末にずれ込んだ。2008年10月の着工以来2年余りの時間をかけた復元工事だったが、「特にトラブルもなく、淡々と進んだ」(東京都建設局東部公園緑地事務所工事課・高遠達也さん)という。

 復元された建物は、「こけらぶき」の屋根に10畳と13畳の続き間のある数寄屋造。建築面積は63.62平方メートルで、建物棟の高さは5.234メートル。総工費は約1億4,400万円。日中は雨戸が開けられ、外から室内を楽しむことができ、「ガイド付きの内部見学も調整を進めている」(高遠さん)という。

 「松の御茶屋は庭を見せるために造られたもの。対岸にある『中島の御茶屋』と『お伝い橋』を含む庭のしつらえが大パノラマとなって見ることができる。各分野の専門家の方々とうまく協調でき、とても良いものができた」と高遠さん。

 茶屋は池の周囲のどこからでも鑑賞できるが、「特に美しいビューポイントは、『お伝い橋』『八景山』『富士見山』からの景観」(高遠さん)。今の季節では、茶屋室内からの景色は逆光にならない午前中が最も美しく、日が西に傾く14時~15時ごろでは茶屋がスポットライトを当てたように見えるという。

 茶屋の復元工事は、同局が2004年から続けている同庭園の修復・復元事業の一環。完了した工事はこのほか、「潮入りの池」「内堀」の護岸や「中の橋」など。今後、残りの「汐見茶屋」「鷹の御茶屋」「燕の御茶屋」も順次復元する予定。

 庭園の開園時間は9時~17時。入場料は、一般=300円、65歳以上=150円、小学生以下無料。

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