虎ノ門パストラル、今月いっぱいで営業終了へ―41年の歴史に幕

間もなく41年の歴史に幕を閉じる虎ノ門パストラル。7月には館内の中国料理店「天壇」が閉店するなど、閉館の準備が進む

間もなく41年の歴史に幕を閉じる虎ノ門パストラル。7月には館内の中国料理店「天壇」が閉店するなど、閉館の準備が進む

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 虎ノ門パストラルホテル(港区虎ノ門4)は9月30日で営業を終了し、41年の歴史に幕を閉じる。

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 営業終了は、同ホテルの森トラストグループ(港区虎ノ門2)への売却によるもの。2007年9月の売却成立時に、その後2年間運営を続けることになっていたが、今月その期限を迎えた。

 1968(昭和43)年に「東京農林年金会館」として現在の本館でスタートした同ホテルは、新館の竣工に伴い1984(昭和59)年、「虎ノ門パストラル」として新たなスタートを切った。

 昨年度末までの利用者合計数は441万3,038人。霞が関にほど近い土地柄、官公庁や国会関係者、政治家などの会議や宴会場として活用されることも多く、歴代の首相も訪れたという。また、結婚式場としての人気も高く、1986(昭和61)年には年間婚礼組数3,030組で日本一の記録を達成した。

 2000年には「株式会社パストラル」を設立し、財団法人農林年金福祉団から移管。ホテル事業の民営化を進め、以来農村漁村との交流や環境・福祉への配慮などを目的に営業を続けた。これにより食にまつわるイベントに力を入れ始め、「食のパストラル」としても打ち出してきた。

 マーケティング課の鈴木崇弘さんは「なじみのお客さまが多かったので、皆さまに残念がっていただいている」と話す。「『来年は宴会をどこでやればいいのか』という声もあり、できる限りご紹介しているが、やはり長年なじんだ場所が使えなくなることを惜しまれるよう」とも。

 同ホテルは今後、森トラスト側が今年末から来年頭にかけて解体に着手し、跡地にはオフィス棟と住宅棟のツインタワーを建設したい考えを表明している。早ければ2011年春ごろ本体着工する見通し。

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