虎ノ門のサンゴベンチャー「イノカ」(港区虎ノ門3)が1月6日、サンゴの排卵時期コントロールに成功した。
サンゴ礁生態系を都心部で再現する独自技術を持つという同社は、「自然の価値を探究し、科学技術を発展させる」という理念の下、2019年(平成31年)4月に創業した東京大学発ベンチャー企業。微生物や魚などの海洋生物の管理・育成を行うシステムを各種研究機関と共同開発している。
今回、独自の環境移送技術を使った完全人工環境下での実験となった。自然界と時期をずらして実際の水温と同期することで、抱卵時期を人為的に導くことができるようになった。
社長の高倉葉太さんは「サンゴ礁は海洋生物の25%の生存を支えているといわれ、70%~90%が20年後には消滅する可能性が高いとされている。今回の実験によって、サンゴの保全を推し進めていきたい。環境教育プログラムとして、小学生が調査した研究を発表する『サンゴ礁ラボ』研究発表会も企画しているので、注目してもらえたら」と話す。