森ビル(港区)は4月13日、虎ノ門エリアの大規模開発計画を発表した。
計画では虎ノ門エリアをグローバルビジネスセンターと位置付け、国際水準のオフィス、住宅、商業施設、交通インフラなど、一体的な開発を行うという。
2014年6月に開業した虎ノ門ヒルズ森タワーを中心に、北側に地上36階、地下3階のオフィスを中心とした高層ビル「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー(仮称)」、南側には住宅を中心とした地上56階、地下4階、約600戸を有する「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー(仮称)」を建設する。いずれも2019年度竣工予定。桜田通りを挟んだ西側には、東京メトロ日比谷線の新駅を含む「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(仮称)」を予定する(2022年度竣工予定)。
虎ノ門ヒルズ森タワーに新たな3棟が加わることで、虎ノ門ヒルズは区域面積7.5ヘクタール、延べ床面積24万2000坪になる。住居や商業施設の他、道路、鉄道、バスターミナルなど交通インフラや緑地も整備し、開発規模としては六本木ヒルズに匹敵する事業になる見込み。事業費は約4,000億円を見込む。
森ビルの辻慎吾社長は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催で、世界から注目が集まるこの時期は事業にとって非常に大きなチャンスで、勝負のとき。国際競争力を高められるよう一体的な街づくりを進めたい」と意気込みを語る。
虎ノ門エリアは同社以外にも、ホテルオークラ東京本館の建て替えや、虎ノ門病院の建て替え、虎ノ門トラストシティ ワールドゲートの建設、東京メトロ銀座線虎ノ門駅のリニューアル工事など、さまざまな開発が進む。
同ビジネスタワーの建設予定地内にある1789年創業、1902(明治35)年から虎ノ門の地に店を構える丁子屋呉服店の店主、吉井恭子さんは「開発により今の店がなくなるのは寂しい。今後は同ビジネスタワー内で営業を続ける予定。今の店構えの雰囲気を出すのは難しいが、新たな店でも引き続き着物の魅力を広めていきたい」と話す。