汐留で写真展「生きてく子ども」-過酷な状況で出産した少女たちの姿追う

命と向き合ってきた少女たちの言葉は「すごくシンプルで、はっとさせられる」(三枝さん)という

命と向き合ってきた少女たちの言葉は「すごくシンプルで、はっとさせられる」(三枝さん)という

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 汐留メディアタワー(港区東新橋1)3階のギャラリーウオーク(TEL 03-6252-8086)で1月20日より、写真展「生きてく子ども」が開催される。

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 同展は、2007年にチリで発足した「生きてく子どもプロジェクト」によるもので、写真展の開催は初めて。同プロジェクトのディレクターで写真家の三枝真紀さんが、チリの首都サンチャゴにある、10~20代の経済的に恵まれない少女たちが出産しながら共同生活を営む施設で撮りためた写真13点を展示する。

 宗教事情により中絶が認められていないチリでは10代の出産率が極めて高く、ドラッグのまん延による事件やレイプなどで望まれない妊娠を余儀なくされるケースが多いという。過酷な状況の中で不安や葛藤(かっとう)を抱えながらも、真っすぐに強い信念を持って生きる少女たちの姿が、作品に収められている。

 三枝さんは「彼女たちの一言一言が表現するのは、悲観でも楽観でもなく、生命の強さと喜び。悲惨な現状のリポートではなく、いかなる状況でも希望を失わずに生きる少女たちの笑顔、『生きる』を動詞化することの意味を記録し伝えたかった」と話す。ファインダーをのぞきながら、生きてきた濃度に圧倒され涙が出たことも。「親が子を、子が親を殺すニュースが珍しくなくなってしまった現代社会で、少女たちが投げかける命のメッセージを伝えたい」とも。

 今後は活動に賛同する寄付による書籍の出版も視野に入れており、一般販売と同時に教育・医療機関への配布も予定する。写真は問い合わせにより販売も行い、収益の一部を少女たちの支援を行う現地非営利団体「サンホセ財団」への寄付に充てる。

 開催時間は9時~19時。入場無料。会期中は無休で2月19日まで。

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