ユーザーが匿名で「ヘコんだこと」を投稿し、その「ヘコみ」に対して「なぐさめ」を書きくというコミュニティー・サービス「リグレト」が、10月6日より携帯からもアクセスが可能になった。運営はウェブ・メディア開発を行うディヴィデュアル(港区新橋5)。
ひと足早く9月1日に始動したPC用サイトは、10月7日時点でのアクセスが延べ628万PVに達した。利用者の多くはF1層と呼ばれる20~34歳の女性とみられ、利用者全体の男女比は男性4割、女性6割(同社調べ)。サイト名の「リグレト」は、英語で「後悔」を意味する「rigret」の韻から。「親しみやすくあえて日本語的にした」(同社取締役のチェン・ドミニクさん)という。
同サイトのシステムは、日常の小さな「ヘコみ」を書き込むとモヤモヤした雲状の「ヘコみ」が画面上に現れる。これを読んだ不特定多数のユーザーが「なぐさめ」をコメントすることでコミュニケーションが発生する仕組み。「なぐさめ」のコメントをもらった投稿者は、なぐさめてくれたユーザーに「ありがとう」を送ることができる。「ありがとう」が送られると、その「ヘコみ」は「成仏」して消える。
サイト立ち上がりからこれまで6万件近い「ヘコみ」と32万件以上の「なぐさめ」、140万回以上の「ありがとう」が集まった。「『HERO』を『ヘロ』と読んでしまうほど英語が苦手」という「ヘコみ」には、「anyoneを『あにょーん』と読んだ私もいる。生きていけるから大丈夫w」など13件の「なぐさめ」が、「もーやだよー誰か助けて」という「ヘコみ」には「助さんだよ!」「格さんもいますし…」「八兵衛もいるよ~」などの「なぐさめ」が10件付くなど、「やりとりにはほのぼのさせられるものが多い」(同)という。
携帯用インターフェースはPCと共通した内容になっており、IDも共通。フラッシュを多用した携帯のサイトはまだ珍しく、「まだ制約の多い中でかなりのチャレンジだった」とチェンさんは振り返る。「携帯からアクセスできるようになってから、社内でも会社の帰りにそれぞれが電車の中などでヘコんでいる(笑)。特に社長がよくヘコんで、利用者の方々に慰めてもらっている」(同)とも。
「リグレト」はユーザーが匿名で投稿し合い、過去のアーカイブも意図的に見えなくすることによって、一期一会のライブ感のあるコミュニケーションを行えるのが特徴。そのため「荒らし」や悪意のユーザーが常駐しづらく、善意に対して善意を返すプラットフォームとして機能しているという。チェンさんは「ネットの世界は人間性のあるものとして理解されていない。人がリンクするメディアをつくれたらと思い、同サイトを立ち上げた」と話す。
同社は当面このサービスに収益を求めず運営する方針。「ある程度ユーザーが集まった時点で新しいビジネスモデルとして考えていきたい。先々は海外への展開も視野に入れている」といい、「携帯とPCの文化を切り離さずに稼働するサイトを目指す」(同)。