
東京メトロ神谷町駅近くの西久保八幡神社(港区虎ノ門5)で8月11日、「御本社神輿(みこし)神幸祭」が行われる。
11世紀初めに創建されたとされる同神社。社殿は火災や戦災で焼失を繰り返し、1953(昭和28)年に復興し、2021年、御造替により現在の姿となった。
同祭は、江戸時代から行われており、1838(天保9)年刊行の『東都歳時記』にも記録が残っている。牛にひかせていた戦前のみこしは戦災で焼失。2015(平成27)年、戦後70年を節目に復興した。2017(平成29)年に戦後初となる本社みこしの神幸祭を73年ぶりに開催したが、2019年に戦後2度目の同祭を開催した後は御造替とコロナが重なり2021年は中止。2023年に4年ぶりに開催した。
当日は10時に同神社で発輿(はつよ)式を行い、10時20分から台車に乗せてみこし巡行を行う。11時30分ごろに東京メトロ神谷町駅付近を通過した後は、12時40分ごろに同虎ノ門ヒルズ駅付近、13時5分ごろに虎ノ門金刀比羅宮横、13時50頃に同虎ノ門駅付近を通過してから折り返す。16時15分ごろに宮入りする予定。
約6時間で、虎ノ門一丁目琴平町会や桜川町会、虎ノ門二丁目明舟町会、虎ノ門三丁目巴町会、虎ノ門三丁目広栄町会など計12の氏子町会や自治体が担ぐ。境内では9日・10日、盆踊りや模擬店出店を行う。
宮司の多田光武さんは「2年に一度行う神幸祭では、御神霊が氏子を巡幸し地域の安寧(あんねい)を祈願する。みこしは、宮神輿(みやみこし)の職人・神田宮惣さんが手がけ、屋根延型、総漆・金箔押し、極彩色の彫刻や錺(かざり)金具で華やかに装飾されたみこしが勇壮に練り歩く姿をぜひ見ていただきたい」と話す。「今後も再開発事業が予定されている虎ノ門エリアで働く人、住む人たちの活力となり、地域の伝統文化として根付いていくことを期待している」とも。