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新橋の印鑑店で福島原発被災動物写真展-店主自ら撮影した作品も

避難区域を走るダチョウたち。地元のダチョウ園にいた30羽のうちの生き残りだという

避難区域を走るダチョウたち。地元のダチョウ園にいた30羽のうちの生き残りだという

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 新橋の印鑑店「えんえんリンクかたちや店」(港区新橋5、TEL 03-5405-2447)で5月28日より、福島第一原発事故避難区域の被災動物写真展が行われる。

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 店主の木下敦夫さん(50)は店内に猫コーナーを設けるほど大の猫好き。これまでも「街猫写真展」やフォトコンテストなどを開いてきた。今回の写真展は、木下さんの知人が福島で動物保護活動を行っていたことがきっかけ。昨年10月には木下さんも現地へ同行。実際に現状を目にし、強いショックを受けたという。

 「地割れや崩壊した家屋に地震の威力を感じさせられたが、一番ショックだったのは、3月11日に出て行ってそのままになっていたこと。洗濯物が揺らぎ、カーテンも閉められていない。今すぐにでも生活できそうなのに、見えない放射能がそれを阻んでいる。恐怖を感じた」と木下さんは振り返る。「空には鳥が飛び、虫もいた。植物も育っていた。全部連れ帰りたい気持ちにさせられた」。何もできないジレンマを救ってくれたのは、「保護した猫が優しい目に変わったこと」だという。「人間と暮らしていた飼い猫の証し」。その猫は後日、飼い主へ引き取られていった。

 展示する写真は、現地で保護活動の傍らに撮影された14点を予定。中には木下さん自身が撮影したものもある。開催期間は1カ月程度を見込み、途中、写真を入れ替えることも検討しているという。「人命優先で取り残された福島の動物の現状と、それを保護しようとする人々の存在を知ってもらえたら」と木下さん。「気に留める人が増え、いつか国も変わり、動物を取り巻く環境が変わればもっとうれしい」とも。

 営業時間は9時30分~19時。店のシャッターが開いていれば営業時間外でも写真を閲覧可能。木下さんが在勤中の7時過ぎから退社する深夜までは、ほぼ見ることができる。

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