JR新橋駅汐留口改札外(商店街「ウィング新橋」、通称「しんちか」入口付近)に有機素材を使用したおにぎり店「雑穀おにぎり専門店 mai mai新橋店」(港区新橋2、TEL 03-5537-2147)がオープンして1カ月以上が過ぎた。
「雑穀おにぎり専門店 mai mai」ブランドは神田(閉店)・有楽町に続く3店舗目で、新橋店はキオスクなどを運営するJR東日本リテールネット(新宿区)が経営する。現場の運営は食品卸売事業を展開する嘉穂(千代田区)。店舗面積は4坪。これまで催事スペースとして利用されてきた場所だが、同店は常設となる。
同ブランドは、店舗責任者の太田宇寛さんが神田を出発点に作り上げたもの。太田さんは元貿易商社のサラリーマン。「朝昼食べず、残業後の深夜に外食や飲酒が当たり前」という多忙な生活を10年余続け、体を壊した。コレステロール値も中性脂肪も標準地の数倍になり、「いつ血管が詰まってもおかしくない状態だった」と太田さんは振り返る。
療養のため勤めていた会社を退社。食生活を見直し、行きついたのが雑穀だった。「朝晩有機雑穀ご飯を食べていたら3カ月後には代謝が良くなり、9カ月後には10キロ体重が落ちた」という。今では全てが平常値に戻り健康になった。それを機に、「同じような境遇のサラリーマンたちに少しでも貢献できたら」と雑穀おにぎり店を始めることにした。
自己資金で始めた神田店は多くの常連客が出入りする店に成長(その後閉店)。2009年にはレストランファンドで有楽町店をオープン。新橋店は、昨今の健康意識向上の潮流を受け、JR東日本リテールネットが経営に名乗りを上げた。「神田・有楽町では8割~9割が女性のお客さんだったが、新橋は男性客が半数を占める」という。毎日来店するヘビーユーザーにも男性が多い。
使用する米は、新潟県産有機コシヒカリのオリジナルブレンド。米穀店と何度も協議を重ね、最も雑穀ご飯に合うよう調整したという。米に混ぜる雑穀も国産有機。雑穀は、ハト麦・もち赤米・黄大豆・トウモロコシ・発芽青玄米など10種。新橋店のおにぎりメニューは、「塩むすび」(160円)、店内で焼きほぐした「北海道しゃけ」、「チーズ塩昆布」(以上220円)、「いくら」(250円)など約20品目。シャケやイクラなどの海産物は毎朝築地まで仕入れに行く。
近日中には有機野菜で作るドライカレーもランチ限定で販売する予定。これまでサラリーマンが多いエリアにスポットを当てて来た太田さん。「いつか東京駅かいわいでも店が開ければ」。
営業時間は7時~21時(土曜・日曜・祝日は10時から)。