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汐留でバウハウス展-マイスターハウスのキッチンを実寸で再現

デザイン性と機能性が追求されたキッチンは、バウハウスの理念が見て取れる

デザイン性と機能性が追求されたキッチンは、バウハウスの理念が見て取れる

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 パナソニック電工汐留ミュージアム(港区東新橋1、TEL 03-5777-8600)で9月18日、「バウハウス・テイスト バウハウス・キッチン展」が始まった。

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 バウハウスデザインの中でもキッチンに焦点を当てた展示は世界でもほとんど例がなく、日本でも初となる。会場は「バウハウスと新しい女性」「新しいキッチン」「卓上のバウハウスデザイン」「マイスターキッチン」の4つのテーマで構成。出品数はデザイン画、当時の学生の作品、陶器、台所用品など200点。

 目玉は、同社デザイン部のデザイナーが現地で実測し、当時の写真を基に原寸大で再現したマイスターハウスのキッチン。マイスターハウスは教授陣の官舎で、バウハウスの初代校長・グロピウスが設計した実験住宅。今回再現されたのは、オスカー・シュレンマー邸のキッチンで、デッサウ・バウハウス財団が設備や備品を提供した。

 バウハウスは当時、女性を家事労働から解放するための新たなキッチンと周辺設備を提案。男性的なイメージのデザインとは反対に、女性躍進に一躍買った。同展担当の学芸員・岩井美恵子さんは「バウハウスは男性に好まれることが多いが、これを機に女性のファンを増やせたら」と話す。期間中、デザイナーや学芸員によるギャラリートークなども予定。

 バウハウスは1919年、ドイツ・ワイマールに創立した世界初の本格的デザイン教育を行う芸術学校。「すべての造形活動の最終目的は建築である」という理念の下、モダニズムの先駆者として現代デザインに大きな影響を与えた。しかし時代に翻弄(ほんろう)されたその歴史は短く、ナチスの圧力により1925年にデッサウへ移転。1932年にはいったん廃校。同年、私立校としてベルリンで再開するも、翌年正式な閉鎖となった。グロピウスが設計したデッサウの校舎は現在、世界遺産に登録されている。

 開館時間は10時~18時。月曜定休(祝日除く)。入館料は一般=700円、65歳以上・大学生・高校生=500円、小中学生=300円。12月12日まで。

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