虎ノ門の老舗せんべい店「きや」（港区虎ノ門1、TEL 03-3501-9148）は現在、2月14日のバレンタインを前に期間限定で既存のせんべいをハート形に形成し販売している。売り場面積の半分以上を華やかなハートの商品が占め、「1年で最も華やぐ時期」だという。

50枚限定の「海苔ハートせん」

　ハート型のせんべいは、どれも通常は丸などの普通の形の商品。この時期だけハート型になり、リボンなどが付いたかわいらしい包装で売り場に並ぶ。バレンタイン向け商品は手焼きのしょうゆせんべい「ハートせん」、しょうゆ味の揚げせんべい「ハート揚せん」（以上137円）、エビ・青ノリ・ゴマ味のせんべいが入った「ハートミックス」（小＝263円、大＝368円）など22種類。

　「常連さんからは、日ごろ食べ慣れた商品がハート型になるので毎年喜ばれている」と店主の森田さん。今年は新商品「海苔ハートせん」（189円）も追加。8センチのハート型しょうゆせんべいにノリを巻いた黒いハートのせんべいは、「年間を通じて人気がある『虎せんべい』をハート型にできないかと思い作ってみた」商品。「珍しいと評判だが、ノリをハート型に巻くのが予想外に大変で、50枚しか作れなかった」という。

　同店はオフィス街・官庁街に近いため、購入客は圧倒的にOLが多い。「義理チョコ代わりにしたり、友チョコ（女友だちに渡すチョコレート）代わりにしたりするようだ」と森田さん。もらった男性からは「甘いものは苦手だが、せんべいならうれしい」と好評を得ているという。意外にも訪問先への進物にするという男性の購入客も少なくない。「商品の趣旨を説明しているが、『構わない。かわいらしくて良い』と反響を得ている」とも。

　例年バレンタイン前にほとんど売り切れてしまうというハートの商品。今年もすでに、中にジャムの入った「ハートマシュマロ」の単品が完売した。同商品は看板商品の一つ「虎の子マシュマロ」をハート型にしたもの。「ホワイトデーには『虎の子マシュマロ』がよく出る」という。

　営業時間は9時～19時。土曜・日曜・祝日定休。期間中、バレンタイン商品1,575円以上の購入客にかりんとうを進呈している。