新橋の「堀ビル」(港区新橋2)がシェアオフィス「GOOD OFFICE新橋」(TEL 03-6403-4560)としてリニューアルして2カ月がたつ。
「ビジネスが生まれる、オープンイノベーションの拠点」をコンセプトに掲げ、4月1日に開業した同施設。国内10拠点目としてオープンした。運営は「グッドルーム」(渋谷区)。
堀ビルは、錠や建築金物を主に扱う「堀商店」(港区)が運営していた複合ビル。鉄筋コンクリート造の建物で、1階を錠や建築金物のショールーム、2階・3階を事務室、最上階を居住用として使っていた。元々同じ場所に塔屋を掲げた木造洋風建築を構えていたが、1923(大正12)年の関東大震災で罹炎(りさい)し、1932(昭和7)年に再建。スクラッチタイルの外壁や、水平を強調した窓廻りが特徴的で、1998(平成10)年に国の登録有形文化財に登録された。
今回、「歴史的建造物をこれからも残していきたい」というビル所有者と、「歴史ある建物を残し、そこから新しいモノを生み出し、次の歴史へつなげていきたい」という、建物を借り受けて改修工事を実施した竹中工務店とグッドルームの3者の思いが重なり、開業に至った。
建物は地上5階、地下1階から成り、改修工事にはチョウチョウ型のブロックを用いた「エストンブロック工法」や不燃ダンボールダクト「エボルダン」など独自技術を採用し、外観はそのまま保全した。12平方メートル~55平方メートルのレンタルオフィス20部屋を用意し、1階はラウンジ、地下1階と4階には会議室やフリースペースも設けた。コロナ対策のための機械換気設備も新たに設置した。
料金は、ラウンジ=月額3万円、レンタルオフィス=同20万9,000円か(いずれも会員制)。会議室は会員以外にも貸し出す(30分につき1,320円)。
グッドルーム・コミュニティマネジャーの嶋川慧さんは「歴史ある建物に令和のエッセンスを融合した内装になった。テレワークが進む中、入居者は他拠点のGOOD OFFICEも利用できるようにした」と話す。「地域の皆さんにはとても愛されている建物。これからも新橋のランドマークとして、たくさんの人に見てほしい」とも。