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汐留で「みちのく復興事業シンポジウム」-震災から4年、さまざまな思い

復興リーダーと山崎内閣官房によるディスカッション

復興リーダーと山崎内閣官房によるディスカッション

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 電通ホール(港区東新橋1)で3月9日「第3回 みちのく復興事業シンポジウム」が開催された。主催はNPO法人ETIC.(渋谷区)と、同社を含む7社が参画する「みちのく復興事業パートナーズ」。

復興に対する思いとエールを送る小泉復興大臣政務官

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東日本大震災から4年となる今年のテーマは「東北モデルからの地方創生のヒントを探る」。

 主催者は「震災前から少子高齢化、過疎化などの課題が顕在化していた東北だが、東日本大震災をきっかけに多様な人材が流入し、震災から4年がたった今、東北は被災地の復興のみならず地方創生のヒントになる取り組みが生まれ育っている」と話す。

 この日は、行政機関から平内閣府副大臣と山崎内閣官房・地方創生総括官が参加し、基調講演や復興リーダーたちとのディスカッションを行ったほか、行政としての課題や取り組みなどを報告した。

 このほか、小泉 進次郎復興大臣政務官も来場し、「復興への思いを持続させることが一番大事。これからは政治家自身もコーディネーターとして課題に取り組んでいくべき」と話した。

 復興リーダーの一人で、甚大な津波被害を受けた宮城県女川町の復興のため事業を立ち上げたNPO法人アスヘノキボウ代表理事の小松さんは、ディスカッションの中で「震災から4年がたち、ようやく希望が見えてきた。被災地の方やそこで活動を続ける人たちは大きなエネルギーを持っている。私はそこにヒト・カネ・モノ・情報を循環させてさらなる地域活性から地方創生を目指したい」と話した。

 最後に、ETIC.の宮城代表理事が「3月11日をすべての人にとって意味のある日としてずっと残していこう」と呼び掛け、シンポジウムを締めくくった。

 港区新橋と交流の深い福島県いわき市の東京事務所(港区新橋2)の主査は「4年の歳月が過ぎ、人々から震災の記憶が薄れかかっている気がする。風評により復興が思うように進まなかったことを考えるとありがたいが、いわき市を支える観光業や漁業の復興はまだまだ途中。震災の事実と復興の思いは決して忘れないでほしい」と話す。

 いわき市では「いわき見える化プロジェクト」と題し、ホームページなどで放射性物質の測定データを随時公開するなど、早い段階から風評被害を払拭(ふっしょく)し信頼を得るための取り組みを行ってきた。「いわき市の食産物は日本の中でも最も厳しい検査を通ったものが流通しているので、安心して手に取ってほしい」とも。

 福島県では、4月1日から「福島ディスティネイションキャンペーン」が始まるほか、「第7回太平洋・島サミット」の開催地がいわき市に決定するなどにぎわいをみせている。

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