通販事業を展開するカタログハウス(渋谷区)の実店舗「カタログハウスの店 東京店」(港区新橋1)に8月19日、本格的な放射能測定器を導入した野菜売り場「福島さんの野菜」がプレオープンした。場所は店舗1階で、売り場は常設。
カタログハウスが購入した応用光研工業社製「微量放射能測定装置」
「福島の野菜を食べよう」をコンセプトに、福島県の野菜生産者グループ「ジェイラップ」(須賀川市)と提携した同企画。実現のために生産現場と販売店双方が放射能測定器を導入した。国の定める暫定基準値とウクライナ保健省が採用する規制値に基づいた自主的な検査を実施し、消費者に安心・安全を提供することで風評被害への根本的解決を目指す。
ジェイラップが使用するのはEMFジャパン社製「ガンマ線スペクトロメーター」。カタログハウスで使用するのは応用光研工業社製「微量放射能測定装置」(購入価格=数百万円)。いずれも外部機関「放射能汚染食品測定室」と同レベルの高精度放射能測定器。10ベクレル程度の微量な放射能も測定可能だという。
カタログハウス所有の測定器による測定方法は、対象の野菜の中からサンプルとして1キロを抽出。細かく刻み、20分間計測を行う。朝取りの野菜が届くため、計測は毎朝実施、店頭の値札にその日のセシウムとヨウ素の数値を掲示する。
取り扱う野菜は、ブルームキュウリ、ミニキュウリ、トマト、ベビーリーフ、ミニトマト、ナス、ジャガイモ、ピーマン、玉ネギ、つるむらさき、カボチャ、枝豆、インゲン、長ネギ、桃、トウモロコシなど19種。今月26日のグランドオープン以降の週末には生産者も参加。消費者との対面販売を行うほか、店頭の野菜を併設のキッチンで調理した試食品も並べる予定。
カタログハウスでは、過去にもチェルノブイリ原発事故の際、現地の子どもたちを支援。義援金1億円以上を寄付した。今回の東日本大震災では、福島の子どもたちを長野県に招待。社員が交代でレクリエーションを行うなど、原発事故に関する支援に注力する。今後も引き続き放射能測定などで放射能被害への支援を続ける構え。
営業時間は10時~19時。