新橋の老舗レコード店「東京堂」(港区新橋2、TEL 03-3591-6682)で、AKB48が販売ランキングの首位を独走している。
同店は1949(昭和24)年創業。今でも売り上げの屋台骨は、15坪の店舗の3分の1ほどを占める演歌や歌謡曲、ジャズ、漫談・落語。特にカセットテープの品ぞろえが充実しており、遠くから買いに来る客も多い。新橋SL広場で行われる演歌宣伝ライブの拠点にもなっており、演歌歌手も多数訪れる。
「お父さん御用達」の同店でも、AKB48が台頭。現在、アルバムとシングルともにAKB48が1位を独占する。売り上げランキング1位になっているのは、5月25日に投票権付きでリリースされ、ミリオンセラーとなった21枚目のシングル「Everyday、カチューシャ」と、6月8日リリースで初のオリジナルアルバムとなる「ここにいたこと」。
「購入客は子どもに頼まれたサラリーマンがほとんど」と同店2代目の大谷芳弘社長(64)。大谷さん自身もAKB48のファン。「親子でファン」という店長の真下匠さんに影響を受け、夫婦そろってファンになったという。「好きなメンバーは、あっちゃんとともちん(笑)」。
港区で商店街支援事業を手掛ける清原逸夫さん(40代)は、同店でAKB48のCDを複数購入。「おニャン子時代をほうふつとさせる。秋元康にだまされていると分かってはいるけど(笑)、やはりいい」と話す。同じく人気のK-POPに関しては、「大人っぽくて少しセクシー過ぎる。『妹的』なのがAKBの醍醐味(だいごみ)」。
真下さんは、高校生の長男(18)から影響を受けた。「長男は劇場や握手会に通うほどの熱狂ぶり。ニューアルバムの劇場版は6枚持っている(笑)」。今ではすっかりファンになり、「優子、みーちゃん、ともーみ」を応援している真下さん。「AKBの楽曲はおニャン子世代にも響くメロディー」と分析する。「AKB選抜総選挙は本物の総選挙よりよっぽど真剣度が高い。政権をAKBに渡しては(笑)」とも。