全日本空輸(以下ANA、港区東新橋1)はファーストクラス利用客を対象に、成田国際空港・アークヒルズ(港区赤坂)間をヘリコプターで無料送迎するサービス「お帰りヘリコプター」を9月16日から開始した。同社では他社に先駆けたサービスにより、新規富裕層の獲得を狙う構え。
同サービスは森ビルシティエアサービス(同)と業務提携したもので、同社が同日から開始する「成田エアラインコネクションサービス」を利用して提供される。サービス対象は、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ロンドン、パリ、フランクフルトの欧米7路線を往復ファーストクラスで利用する乗客。
成田国際空港からアークヒルズまでの所要時間は約30分で、うちヘリコプター飛行時間は約15分。公共交通機関を利用した場合、成田国際空港から都心までは1時間30分前後を要する。成田からアークヒルズまでのヘリコプター移動は、今年3月、俳優のトム・クルーズさんが来日した際に家族で利用し話題となった。
同サービスで使用される機材はドクターヘリや警察ヘリなどにも使われる、安全性が高く・低騒音のユーロコプター社製EC135。スタンダード機のほか、フランス・エルメス社とのコラボレーションによる「エルメスエディション」が予定されている。「エルメスエディション」は日本初就航で、明るく広い室内と豪華なレザーシートが特徴。両機とも定員は4~5人。
同サービスを「成田エアラインコネクションサービス」で利用すると、スタンダード機で片道=5万円(12月31日までは3万8,000円)、往復=9万円(同7万円)、エルメスエディションが片道=7万5,000円(同5万7,000円)、往復=13万5,000円(同10万5,000円)の運賃がかかる(ハイヤー込み)。
ANAによると、実際に同サービス稼働初日となるのは同18日。3人での搭乗が予定されているという。現在の申し込みは9月に5件、10月・11月に各1件ずつ。利用者は成田国際空港から成田へリポート(佐倉市)までサービスに含まれるハイヤーで移動し、アークヒルズヘリポートに向かう。
現在のところ無料送迎は成田空港からアークヒルズへの「お迎え」のみ。2010年3月31日まで。