二十世紀梨の出荷を目前に控えた鳥取県が8月20日、キャラバン隊を編成して新橋経済新聞編集部を訪れ、「今年は秀作」という同梨をPRした。
同県は二十世紀梨の生産量全国1位。出荷量は2006年度で1.7万トンに上り、2位の長野県の出荷量4千トンを大きく上回る。その8割以上が関西を中心とした西日本で消費されているため、「東京でも二十世紀のおいしさをもっと知ってもらいたい」と同キャラバン隊はPRに力を入れる。
同県ではここ3年ほど天候の影響などで成長が悪く小玉に苦しんだが、今年の同梨は大玉に成長。「みずみずしく果肉がやわらかい。でもシャリシャリした食感はそのまま。天気が良くなったので、甘みと酸味のバランスが良く食味のいいものができた」(キャラバン隊)という。
キャラバン隊の中心として梨のPRを行うのは、「とっとり観光親善大使」就任3年目という中原詩織さん。中原さんの実家は作付面積120アールの広大な梨農家。「子どものころから二十世紀を食べて育った」という。現在は「鳥取県二十世紀梨記念館」(倉吉市)に勤務し、インフォーメーションを担当する。
「二十世紀は皮が薄く滑らかなので、栄養価の高い皮ごと食べるのもおすすめ。皮ごとすり下ろしてカレーに入れたり、むいた皮を千切りにしてキンピラにしたりするのもおいしい」と中原さん。そのほか鳥取の梨農家では、果汁を煮詰めて「梨あめ」にしたり、ジャムにしたりするという。
中原さんは「二十世紀は『肩』と『尻』が張り、横に大きいものがおいしい。「トラ熟れ』」と呼ばれるまだら模様が強いものは最高」と選び方を説明。「梨はカリウムやホウ素が含まれ、女性ホルモンの産出や脳の活性化を促すとされる。たくさん食べてきれいになって」とアピールした。
今年は同県に梨が導入されて105周年。また、8月29日は同県のアンテナショップのオープン1周年。こうしたことを記念し、同県では29日・30日の両日、来年から本格出荷を行う新品種「新甘泉(しんかんせん)」を来店者先着100人に無料配布する。
同キャラバン隊はこのあと2日間で12の媒体を回る予定。