新橋の和菓子店「新正堂」(港区新橋4、TEL 03-3431-2512)が、閉店後に下ろすロールスクリーンに赤穂浪士四十七士の絵柄の装飾を施した。
同店は1912(大正元)年創業。初代店舗は、奥州一之関藩・田村右京太夫上屋敷(通称=田村邸)跡地内にあった。田村邸は忠臣蔵の発端となった播州(ばんしゅう)赤穂藩主・浅野内匠頭長矩(たくみのかみながのり)候切腹の地であることから、3代目店主・渡辺社長のアイデアで2010年より、赤穂浪士四十七士の図柄と家紋を入れたようかん「義士ようかん」を販売している。四十七士を一人一人描いた武者絵は、江戸時代末期の浮世絵師・歌川国芳の作品を基に、忠臣蔵好きのイラストレーター・もりいくすおさんが加筆したもの。
閉店後や定休日に訪れた客にも楽しんでほしいという思いから今回、同絵柄を用いてスクリーンを作成。閉店後にしか見ることができないことが「江戸の粋」だと、外国人観光客にも好評だという。
渡辺社長は「日曜日などの閉店時に訪れたお客さんが店外の写真を撮って帰られるという話を聞いて、何かできないだろうかと思った。見どころは四十七士全員が一面にそろっている圧巻さ。背景の色は黒か濃紺かで悩みに悩んだが、最終的には濃紺の品の良さを取った」と話す。
営業時間は9時~19時30分(土曜は17時まで)。日曜・祝日定休。