共同通信社本社ビル「汐留メディアタワー」(港区東新橋1)で2月1日より、記録写真展「3.11動物たちの大震災」が開催される。場所は3階のギャラリーウオーク(TEL 03-6252-8086)。
同展は、同月10日に表参道で開催されるシンポジウム「被災動物とペット防災を考える」の一環。展示内容は、福島第一原発事故避難区域を中心とした福島県からから避難または保護されたペットたちをとらえたもの。フォトエッセイスト・児玉小枝さんのモノクロ作品集と、個人ボランティアらによるレスキュー記録の2部構成となる。
児玉さんの「同伴避難」は、同名の著書に掲載されている作品からの抜粋。同書はペットと共に新潟県内の避難所に身を寄せる10組の家族と支援体勢をリポートしたもの。過去2回の大震災を経験している新潟県は、全国で最も多く被災者を受け入れた。ペット同伴での避難も積極的に受け入れ、地元愛護団体や獣医師会なども協力、避難所のペットへのケアも行われた。
個人ボランティアらの「保護された動物たち」は、福島第一原発事故避難区域で保護した犬猫を時系列で追った保護記録。同区域では避難の際、多くの動物が取り残された。ボランティアによるレスキューの対象は、地元住民からの救助依頼や、放浪・衰弱しているペットなど。展示では、無事救助した依頼案件、後に飼い主が判明したケース、飼主不明のまま里親に引き取られたケースなど、過酷な環境を生き抜いた動物たちの軌跡を追う。
「被災動物と飼い主の悲劇を知り、ペット防災の必要性を呼び掛ける」のが同展開催の目的。広報担当で「被災動物とペット防災を考える会」の三浦さんは「原発事故による避難の際、多くの現場で『動物は置いて行くように』との指示が出された。福島の事例を、ペット飼育する人だけでなく、行政やペットを飼育していない人まで広く知ってもらうことで、同伴避難の定着を後押ししたい」と話す。
開催時間は9時~19時。入場無料。2月27日まで。