港区は9月1日、乳幼児から高齢者まで利用できる大型の保健福祉複合施設「プラザ神明」(港区浜松町1)をオープンした。建設地は神明小学校第2グランド跡で、2008年に移転オープンした「港区立エコプラザ」向かい。
同施設は5年前に着工。建物は地上8階地下1階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造で、敷地面積=2401.89平方メートル、延床面積=9907.24平方メートル。区としては初の指定管理者制度を導入する。8月28日は竣工を祝し、開所式と施設内部の一般公開が行われた。
同施設には、1階から3階に「区立神明保育園」、4階に高齢者の生きがい作りや介護予防、健康作り、区民の交流の場を目指す「区立神明いきいきプラザ」、5階・6階には学童クラブ・ダンススタジオ・音楽室・学習室など小中高生を対象とした「区立神明子ども中高生プラザ」が配備されているほか、体育館(6階)やトレーニングスペース(8階)などの設備も用意する。
「区立神明保育園」は初の公設民営の大型保育園。定員は、0歳児=21人・1歳児=29人・2~5歳児=各30人の計170人で、6時15分からの早朝保育と22時までの夜間保育を実施する。「区立神明子ども中高生プラザ」内の学童クラブの定員は40人。いずれも運営は日本保育サービス(新宿区)。「区立神明いきいきプラザ」を運営するのは湖聖会(千葉市)・東急コミュニティー(世田谷区)による共同事業体。
建物は環境に配慮した設計で、建物のバルコニーのデッキや多目的ホールの壁、床下地などに、港区と「間伐材を始めとした国産材の活用促進に関する協定」を締結した自治体で生産される協定木材・国産木材を50.58立方メートル使用し、36.44トンのCO2を固定。区がCO2固定量を認証する「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」の第1号の認証物件となっている。協定を締結している自治体は現在東京都あきる野市、岐阜県東白川村など全国に47カ所。
そのほか、震災以降設計を見直し、非常用発電装置を設備機器を上層階に移設するなど、津波や液状化を念頭に置いた防災機能等の強化・充実も図ったという。