新橋プラザビル(港区新橋4)地下1階にフレンチレストラン「Restaurant La Fins(レストラン ラ フィネス)」(TEL 03-6721-5484)がオープンして1カ月が過ぎた。経営はアラブニール(港区)。
店舗面積は46坪で、席数は4~6人が利用できる個室1室を含め20席。店名は、フランス語で余韻を意味する「Finesse」から。「フランス人はこの言葉を“記憶”という意味合いで使う。料理の味も含めて、過ごした時間が記憶に刻まれるような店にしたい」とオーナーシェフの杉本敬三さん。
小学生のころから料理をしていた杉本さんは高校卒業後に渡仏。23歳でフランスの1つ星レストランのシェフになる。「いろいろな料理を食べ歩いた結果、フランス料理にたどり着いた」と杉本さん。「自分はレシピを持たない。味を自分で見いだし、追求、理解して表現するタイプの料理人」と自らを紹介する。
昨年10月に帰国した杉本さんは、新橋に出店した理由について、「銀座に近い新橋・虎ノ門エリアは都市再開発の可能性がある将来性の高い場所だと思ったから」と話す。「バリアフリーである、店へのアプローチが広い、最寄り駅からのアクセスがいいなど、私の挙げた条件をほとんど満たした物件だから」とも。
料理はコースのみで、1万5,000円のプリフィクスメニューと、2万2,000円のデギュスタシオンコースの2種類。予約客には、オードブルの前にフィンガーフードなど10品を用意する。土曜のみランチ時間も営業。8,000円のコース料理、ムニュ・セゾンを提供する。料理に使用する魚介類は北海道と大分の漁港からの直送品。肉類はヨーロッパ産を、野菜は国産無農薬野菜とフランスから空輸したものを使う。
ワインリストには約200種類の銘柄が並ぶ。価格は6,000円からで、「リストにはないが49万円のワインもある」。グラスワインは1,800円から。ソムリエは2人で、ワインリストとしてiPadを使用。ワインの種類(赤・白)、産地、価格でクロス検索できる。「ワインが分かりやすくて選びやすいと好評」と杉本さん。
厨房に立つのは、杉本さんのほかパティシエ1人。「忙しいが、お客さまの注文に迅速に反応するため少数精鋭にしている」。注文したワインに合わせて料理のソースを変えるなど、きめ細かいサービスを心掛ける。利用客の多くは、「今のところ、フランス料理を食べ慣れた人が探して来てくださる」という。
ドイツでチェーン店のコンサルタントをした経験も持つ杉本さんは、「現在、飲食業は学生がなりたくない職業の1位にあるが、その状況、そして飲食業の考え方をこの店から変えたい。そのために厚生年金への加入や週休2日制など、福利厚生の行き届いた会社を興した」とも。
営業時間は18時~24時(土曜のみ12時~16時、18時~24時)。日曜・月曜定休。