汐留イタリア街で100組目の「離婚式」-震災機に需要増加

100組目の離婚式で潰れた結婚指輪を見つめる夫婦。離婚式への申し込みは8割が男性から

100組目の離婚式で潰れた結婚指輪を見つめる夫婦。離婚式への申し込みは8割が男性から

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 汐留イタリア街のレストラン「アーキテクトカフェ汐留」(港区東新橋2)で11月12日、100組目となる「離婚式」と100組到達記念イベントが行われた。

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 離婚式は、人材派遣会社の営業マンだった寺井広樹さんが企画。先輩の離婚式プロデュースをきっかけに脱サラ、2009年からサービスを開始した。初年度に式を挙げた夫婦は6組、その後メディアなどを通じて話題となり、翌年は53組に急増。100組目到達の今年は年末の「離婚シーズン」に向け、20組近くの予約が入っているという。式は結婚式の式次第を離婚用にアレンジ。仲人は「裂人(さこうど)、新郎新婦は「旧郎旧婦」と称し、引き出物には二つに分かれる箸を用意するなど、細部にもこだわる。

 見事100組目の離婚式となったのは、会社員の夫(30)と自営業の妻(30)の夫婦。高校時代に知り合い、8年間の結婚生活を送ったが、妻の起業を境に生活にすれ違いが生じ、性格の不一致が露見したという。離婚式への申し込みは夫が行った。この日の出席者は3人の子ども(7歳・5歳・2歳)や友人、親せきなど20人。

 いとこが喪服姿で登場するなど、式は緊張した空気の中で進行。夫婦の共通の友人という「裂人」は、「あえてこういう式を挙げるというのは2人の信頼ときずなの証し」とあいさつ。夫は「未練がないわけではないが、互いの関係をよくするために」と決意を表明。妻からは「離婚をしても家族としての関係は変わらない。12年間ありがとう」と感謝の言葉が送られ、会場の涙を誘った。

 「やり直し届(=離婚届)」に署名し、ハンマーで結婚指輪をたたき割る「最後の共同作業」を終えると会場の空気は一変。夫婦も晴れ晴れとした表情に。和やかな会食が進む中、夫婦の出会いから別れまでのスライドショーが上映された。ディズニーランドでのデートやクリスマス、出産など夫婦の歴史が再現されると、妻が号泣する場面も見られた。

 当日は100組目到達を「祝い」、通常の式次第に加え、離婚式のメーンキャラクター「離婚がえる」に目入れを行ったほか、オリジナル曲「離婚式ソング」などのライブ演奏を披露。プロデューサーの寺井さんは「震災で関係を見直す夫婦が増え、離婚式の需要が高まっている」と話す。今後は「離婚式を挙げた元夫婦を対象に新しいパートナーを紹介するマッチングサービスにも注力する」とも。

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