ANA(港区東新橋1)は3月1日より、同社グループ国際線仕様機に女性専用化粧室の導入を開始した。女性専用化粧室が機内に設置されるのは初。
女性専用化粧室となるのは、各機材エコノミークラスの客室最後方部の1室。女性専用室には案内マークを入れ、特別な事情がない限り女性のみに開放する。ファーストクラスやビジネスクラスの客室利用者でも、女性であれば同化粧室の使用が可能。
男性が同化粧室を利用できるのは、「離着陸時、ベルトサイン点灯直前における安全面から必要がある場合」「男性が体調不良などにより緊急的に使用する必要性がある場合」「著しく女性の搭乗旅客数が少ない便など、女性専用を解除し共用化粧室として運用する場合」など。
女性専用化粧室導入に踏み切ったのは、同社が利用客へ行うアンケートで女性からの要望が多かったため。「男性の後は使いづらい」「機内での食事の後、男性の列に並ぶのが嫌」などの声が寄せられていたという。
同社では当初、4月末までにA320・B737を除く全機材に女性専用化粧室の導入を予定していた。しかし、「導入開始後に男性のお客さまから『女性専用があるならば男性専用も設置してほしい』との声が上がり、再検討している」(同社広報の手塚さん)という。
手塚さんは「女性専用導入を中止することはない」としたうえで、「男性専用を設置するという案のほか、一般の公衆化粧室のように男女別々という選択肢もある」と話し、利用客の声を反映していく姿勢をみせる。