新橋と虎ノ門を結ぶ環状2号線「新虎通り」で10月、既存ビルの壁面にアート作品を描くプロジェクト「TOKYO MURAL(ミューラル) PROJECT」が始まった。森ビルと海外企業の日本進出を支援するアンカースターなどが共同で企画。
世界的には認知度が高いものの国内で実施事例が少ないと言われる壁画アート。「新橋・虎ノ門エリアのシンボルストリート」として再開発が進む同通りから、虎ノ門エリアのにぎわい創出を狙う同プロジェクト。「東京の魅力を世界に発信するとともに、世界に新しい文化を発信すること」を目指す。
10月13日・14日に制作風景が公開されたカザマビル(西新橋2)に描かれた作品はペインターのSALさんとJONJON GREENさんが「SPIRAL」をコンセプトに作成。高さ約33メートル、幅約27メートルの壁面に、SALさんが「つむじ風(tsumiji-kaze/Whirlwind)」、JONJON GREENさんが「COLOR Flowing」をテーマに描いた。新虎通りから新しい未来が生まれていくことを表現しているという。
今後も、世界で活躍するアーティストを呼び、地域のコミュニティとともに既存のビルの壁面や建造物をキャンバスに同プロジェクトを進め、作品「創発」の場を目指す。
同イベントのアートディレクター兼プロデューサーの大黒健嗣さんは「本プロジェクトを通して、ミューラルアートの世界で活躍する日本のアーティストたちを、東京から世界に発信していきたい」と話す。「アーティストたちが残した作品を見掛けたあらゆる人たちに、次の時代を創造していこうというエネルギーが湧いてくれれば」とも。
共同企画しているアンカースターの児玉太郎さんは「ミューラルがある風景は、写真や動画などさまざまな形で世界中に伝搬していく。このプロジェクトを世界中の人が知り、東京をキャンパスにするクリエーターが増えてくれれば」と話す。