電通ホール(港区東新橋1)で3月8日、「第4回 みちのく復興事業シンポジウム」が開催された。主催はNPO法人「ETIC.」(渋谷区)と同社を含む7社が参画する「みちのく復興事業パートナーズ」。
今回のシンポジウムについて主催者の一人は「震災から5年、まだまだ思うように進まない復興支援がある反面、多くの個人や企業などが東北に入り、幾つもの「新しい地域社会」のあり方を試行錯誤する事業やプロジェクトが生まれ多くの学びや発見があった。そんな東北で生まれた先行事例からの学びや発見を基に、地方創生ひいては日本の未来を創っていくヒントを探し出すための議論になれば」と期待を込めた。
東日本大震災から5年となる今年のテーマは「東北から地域の未来を描く」。
東北の被災地での人口減少・高齢化・経済縮小等の社会課題を踏まえ、基調講演で最初に登壇した日本総研の藻谷さんは「東北の現状を人ごとのように捉えている都心の方々が非常に多いが、人口減少や高齢化の問題は都心でも同様に起きている。むしろゼロスタートとなった被災地に飛び込み、地域復興からビジネスチャンスをつかんだ人たちの方がよほど先見の明がある」と具体的な地域・年代別人口増減率などの数字をモニターに映しながら独自の見解を語った。
続いて壇上に上がった森の学校ホールディングスの牧社長も「当初は震災復興の意味合いが強かったが、震災から5年がたった今、起業をしたい若者や活力のある方々がさらに集まってきて地域活性から地方創生が始まっている」と話した。
最後に、同NPOの宮城代表理事が「3月11日を全ての人にとっての意味のある日として、ずっと残していこう」と呼び掛け、シンポジウムを締めくくった。