東京都都市整備局は4月10日、現在進行中の再開発事業「環状第2号線新橋地区」の「特定建築者」の募集を開始したと発表した。
同計画の道路「環状第2号線」は通称「マッカーサー道路」と呼ばれ、昭和21年に新橋から赤坂、四谷、神田佐久間町まで貫通する道路として都市計画が決定していたが、立ち消えとなっていた。1993年に都心部の渋滞の緩和や、汐留などの臨海部の開発を含めた内容を盛り込んだ都市計画が再度決定している。
今回募集を開始したのは、道路工事と平行して行う予定の再開発地域のビル建設者。同区画の再開発事業はビル整備と道路建設を平行して行う「立体道路制度」を採用している。環状第2号地区の再開発事業は、都が選出した民間業者が施設の建設を行い、同業者が再開発ビルの敷地の一部の権利を取得する「特定建築者制度」を用いる。今回募集を開始したビル建設地区は、同再開発事業の虎ノ門・青年館・新橋区域の中の一つ「1街区1-1棟」で、住所は新橋4丁目近辺。
設計コンセプトは「既存街区の特製を継承する商業施設、都心居住者のニーズに対応した利便性と快適性をもつ居住空間、ビジネス空間に隣接したオフィス空間」。概要は、地下2階、地上16階建てのビルで、地下2階=駐車場、地下1階~地上3階=店鋪(11戸)、地上3階~13階=住宅(87戸)、地上14~16階=事務所(8戸)。敷地面積は2,147平方メートルで、延べ床面積は14,136平方メートル。設計は日本設計(新宿区)が担当している。
応募は「配置計画・運営=権利者の生活再建に対する相談等への協力体制」「まちづくりへの貢献=新橋地域のまちづくりにたいする考え方」「近隣住民等への対応」などの計画・企画案を郵送で提出し、後日応募内容を都にプレゼンテーションする。選考は応募者の収支状況や資力、提出書類の企画案などを採点し決定する。参加希望のエントリーは4月24日まで。応募書類の提出締め切りは6月15日。
「特定建築者」が取得する敷地の予定価格は20億1,900万円で、都が「特定建築者」に支払う整備費の上限価格は27億600万円。工事完了は2010年を予定している。