JR新橋駅で7月19日より、国民的なヒット曲となったサントリー(大阪府大阪市)のCMソング「ウイスキーが、お好きでしょ」(作詞=田口俊、作曲=杉真理、歌=石川さゆり)の発車メロディーが流れ、話題となっている。
同メロディーは、サントリーから提案があり実現した初の広告発車メロディー。JR東日本ではこれまで、も高田馬場駅「鉄腕アトム」、蒲田駅「蒲田行進曲」、高円寺駅「阿波踊り」など、「地域からの要望に応え、地元にちなんだメロディーを登用することはあった」(JR東日本企画広報担当者)が、過去に広告商材として発車メロディーを使用したことはなかったという。
現在JR新橋駅で流れている発車メロディーは、「ウイスキーが、お好きでしょ」の中の「サビ」の部分、「ウイスキーがお好きでしょ。もう少ししゃべりましょ」のフレーズ。同駅に乗り入れる京浜東北線北行と山手線の内回り、同南行と外回り、東海道線・横須賀線の上下線すべてのホームで採用し、同一ホームの各方面が区別できるよう高低差を付けた2通りの音調を流す。
新橋によく飲みに来るという会社員男性は「あれはいい。オヤジは心がわしづかみにされる。酔っぱらいも、あの発車メロディーを聞くとシャキッとしようと思う(笑)」。新橋駅前ビルのカフェバー「kitchen bar en」店長・和田久美子さんは「しゃれている。新橋らしくてすごくいい」。
今回の企画は、サントリーが力を入れているハイボール商品販促の一環。同社では「2008年に角ハイボールを売り出したころからこういったことができたらと考えていた。ハイボールはサラリーマンが手に取ることが多い。新橋はサラリーマンの聖地なので(決まった)」(サントリー広報担当者)。9月にはトリスハイボールが発売されるため、これに合わせたプロモーションとみられる。
評判のよい同発車メロディーだが、1カ月の契約期間以降の延長の予定はないという。JR東日本は「今回の結果を見て今後の展開を考える」(JR東日本企画広報担当者)、サントリーも「ほかの駅などでの流用は今のところなく、ひとまず終了」と広報担当者。
実施は8月20日終電まで。