新橋SL広場前の「ステージファロ」(港区新橋2、ファロシティビル2階)で3月30日夜、演歌歌手・田川寿美さんのミニライブが行われた。「新妻」をイメージしたという23曲目のシングル「愛情行進曲」に合わせ、白いエプロン姿で「いゃあーん だめ…」と歌う田川さんにサラリーマンたちは目尻を下げた。
この日はファンクラブで公募された10人の「応援団」とともに新橋入り。桜の季節にちなみ、ピンクのうちわ約500枚を配布するなどライブの告知を行うと、スーツ姿のサラリーマンを中心に約300人の聴衆がステージ前に集まった。
19時のSLの汽笛と同時にステージに田川さんが「新妻」風に小紋の着物で登場。新曲「愛情行進曲」をかわいらしく熱唱すると、会場のサラリーマンのほおがみるみる緩んだ。2曲目は数多くの新人賞を受賞したデビュー曲「女…ひとり旅」を力強く歌い上げ、3曲目には第40回日本レコード大賞・優秀作品賞受賞曲の「哀愁港」を切なく聴かせた。
最後は白い前掛けタイプのエプロンを付けて登場。再び「愛情行進曲」を笑顔で歌うと、多くのサラリーマンらが曲に合わせ体をゆすったり口ずさんだりする姿が見られた。特に「さび」の部分「いゃあーん だめ…」の節になると、サラリーマンの口元に笑みがこぼれた。
神田の会社に勤める男性は「今日はライブがあると聞いて新橋に立ち寄った。彼女の歌は最高。エプロン姿もかわいい。こんな新妻が家にいたらもう新橋には寄らなくなる」とうれしそうに話した。ライブ後にはCDやカセットテープの即売と握手会も行われ、長蛇の列ができた。
田川さんは過去4回の紅白出場経験を持つ「お父さん世代のアイドル」として人気の演歌歌手。「日の出みりん」のテレビCMシリーズに出演していることから、幅広い世代から認知されている。