日本ビクター(横浜市神奈川区)が所有する新橋ビクタービル(港区新橋1)の売却先が決まった。新オーナーとなるのは繊維商社大手のタキヒョー(名古屋市西区)で、購入額は約40億円。入居は8月中旬の見込み。
タキヒョーは1751年創業の繊維の老舗。自社ブランドも含め、さまざまなアパレル・テキスタイル事業を展開する。現在都内での拠点は虎の門2丁目の「東京支店」と八重洲2丁目の「八重洲店」に分割していたが、今後は新橋に一本化し運営の効率化を目指す。
同社が購入するビクタービルは築20年、地下1階・地上9階建てで、土地面積は約499平方メートル(約151坪)、延べ床面積は約4,123平方メートル(約1,247坪)。1階部分は2階までの吹き抜けとなっており、これまで日本ビクターのショールームとして使用されてきた。帳簿価格は約66億円。
現在、同社東京支店と八重洲店が入居するスペースの合計は約2,800平方メートル(約850坪)。移転後には余剰スペースが発生するが、余剰部分は事務所として賃貸する予定だという。同時に東京支店でメディアや招待客向けに行ってきた新作コレクションの展示も新橋の同ビルで実施して行く考え。
同社の武藤篤常務は「建物の詳細な使用方法の取り決めは契約締結後となる」と前置きしたうえで、「周囲となじむような存在にしていきたい。吹き抜けのある1階スペースはお客様へ商材を見せるような使い方ができれば」と移転後の構想を明かす。