内幸町・富国生命ビルにあるスペイン料理店「L’estudi(レ・ストゥディ)」(千代田区内幸町2、TEL 03-3597-0312)が12月で8周年を迎える。
店名はスペイン語で「書斎」を意味する。その名の通り、「家で一番好きなことをする部屋」をコンセプトとして2005年12月に開業した。1日1組しか客を受けないというこだわりは開業時より続く。当初は1日1組、10人から予約を受けていたが、現在は6人から受け付けている。
1組しか受けない理由として、「多数の要望に向き合うと、効率を求め料理がルーティンワークになってしまい細部にまでこだわり抜いた料理が提供できなくなってしまう。1組であれば、お客さまにとって自分たちだけの空間となり、わが家のようにくつろいでもらえるから」とオーナーシェフのジョセップ・バラオナ・ビニェスさんは話す。
これまでの8年間については、「この店を拠点として、現状にとどまらない、店の経営が順調でも常に変化することを実践してきた。これからも自分の得意な料理を通して新しいことに挑戦したい」とも。
ジョセップさんは1991年に来日後、スペイン料理のピンチョス(小さなパンに料理を載せた軽食)を日本に紹介したことで知られ、ピンチョスについての書籍も出版。2008年の「愛・地球博」のスペイン館で「タパス・バー」を総合プロデュース。さらに、スペイン王家来日時の晩さん会を総合プロデュースした。こうした、さまざまな形でスペイン美食文化を広めた功績として、スペイン国から「文化功労勲章銀十字型章」も贈られている。
メニューは、スペイン・カタルニア料理8品に、料理に合わせた5種のワインが付いたコース(2万円)のみを用意。利用時間は予約時に相談する。