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新橋に「復興支援酒場」-秋田の会社がオープン、粗利は東北3県へ

内装は既存のまま使用。岩手の「チャグチャグ馬コ」や仙台の七夕を飾ることで「復興支援酒場」を演出

内装は既存のまま使用。岩手の「チャグチャグ馬コ」や仙台の七夕を飾ることで「復興支援酒場」を演出

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 新橋1丁目首都高沿いのビル6階に1月17日、東北3県を支援する非営利居酒屋「復興支援酒場 銀座店」(港区新橋1、TEL 03-3574-1161)がオープンした。同店は昨年9月13日にオープンした仙台店に続く2店舗目。

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 運営は東北を中心に飲食店を全国展開するドリームリンク(秋田県秋田市)。銀座店は同社の別業態「秋田川反漁屋酒場・銀座店」を期間限定で「復興支援酒場」としたもの。店舗面積は約50坪、席数はカウンター12席・個室6部屋を含む78席。

 「復興支援酒場」は企業として1年間の長期支援を行うことを目的に立ち上げた業態。売り上げから経費を除いた全額を岩手県・宮城県・福島県の各県庁に届ける。使用する食材も放射能測定を行ったうえで、被災地のものを使用。雇用も被災者を優先し、社員寮も提供する。「今後このような支援が必要にならない方がいいが、もしまた何か起こった時のために企業として備えたい」と、現在商標登録申請中という。

 仙台店は新規オープンだったため、初期投資に400万ほどを計上。黒字転換するのに12月までかかった。「その経験から銀座店はすぐに利益を出そうと、内装・外装はほぼ元の店のままにした」と同社取締役営業管理本部長 ・最上明彦さん。「看板もコストがかかりすぎるので、1階のみ掛け替え、6階は既存のまま」。

 フードメニューも自社運営の郷土料理店のメニューを利用、開発費を削減した。「じゃじゃ麺」(880円)、「づんだ春巻き」(380円)、「イカ人参」(380円)、「こづゆ」(580円)、3県の名物が入ったみそ味の「三県ピザ」(880円)など。ドリンクは岩手県・宮城県・福島県の被災を逃れた全酒蔵96蔵の酒を用意する。「仙台店は予想以上の反響。銀座店も『飲んで食べて支援になるなら』と問い合わせや予約をたくさんもらっている。ありがたい」と最上さん。

 同社は震災以降、東北の企業として何ができるかを探ってきたという。震災当日は首都圏店舗で帰宅難民の受け入れ、翌3月12日からはライフラインが止まった地域全店で店に残っている食材で炊き出しを、同24日からは全額寄付対象となる「復興支援メニュー」「復興支援宴会コース」の提供などに取り組んできた。

 営業時間は17時~24時。日曜定休。「復興支援酒場」としての営業は9月30日までを予定。

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