宮廷宴席再現-新橋亭「満漢全席」が10年目、今年は「熊の手のひら」も

今年は10年目を迎え、「満漢全席」の醍醐味を味わえるよう尽力した。沖縄の珍しい食材も使う

今年は10年目を迎え、「満漢全席」の醍醐味を味わえるよう尽力した。沖縄の珍しい食材も使う

  • 0

  •  

 新橋の老舗中国料理店「新橋亭(しんきょうてい)」(港区新橋2)は2月28日より、新館(同、TEL 03-3580-2211)で清朝時代に2日間にわたって行われた宴を再現する「宮廷満漢名菜宴席」を開催する。

[広告]

 同企画は、総料理長の田中喬さんが指揮を執り、乾隆帝や西太后が栄華を極めた清朝時代に宮廷料理人が全土の珍品と技を披露した豪華絢爛(けんらん)な宴「満漢全席」のメニューを再現するもの。2000年から年に1度開催しており、今年で10回目を迎える。

 これまでに使用した食材は「アルマジロ」「ニシキヘビ」「ラクダのコブ」など珍しいものが多く、多大な時間と手間を準備や調理に要するため、同様の企画を行う店は少ない。同店ではその年の開催が終わると同時に次の年の仕込みに取りかかり、準備に1年間を費やすという。今では毎年楽しみに訪れる常連客や、プロの料理人なども数多く、毎年300人余りが来店する名物行事になっている。

 当日提供するメニューは27品目で、料理数は42点。中国では禁猟となり日本でしか食べられないという熊の手のひらと鹿のアキレスけんを柔らかく煮込んだ「清燉鹿筋熊掌」や、サメの軟骨と名古屋コーチンの蒸しスープ「脊髄龍脆蒸湯」、沖縄から直送するナポレオンフィッシュを使用した「皇王蘇眉参脯」などのほか、フカヒレやアワビ、ナマコ、魚の浮袋などをつぼ煮込みにしたものやイカの卵のスープなど、さまざまな料理を用意する。いずれも希少なものばかりで、「材料費は6割以上。もうけは無い」(呉祥慶社長)。

 田中さんは「1回目から同じメニューは一つもない。10年目という節目を迎え、満漢全席の醍醐味を味わっていただけるような豪華絢爛な料理を重点的に再現した」と話す。呉社長は「当初は10年計画で考えていたが、まだすべてのメニューを出していない。時間も手間もかかるが、全種類を完成させたい」と今後の継続に意欲をみせる。

 開催時間は、2月28日=17時~、3月1日・2日=18時~。料金は3万円。要予約。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース