「冬の時代」2011年卒就活生、志望企業ランキング-ギジネスが発表

内定率が下がり「冬の時代」といわれる2011年卒の就活。志望先は堅実なイメージの企業に集中

内定率が下がり「冬の時代」といわれる2011年卒の就活。志望先は堅実なイメージの企業に集中

  • 0

  •  

 就職支援や企業研修を手がけるギジネス(港区新橋1)は12月28日、2011年卒業予定者への志望企業調査による最新ランキングを発表した。集計対象は就職活動中の大学3年生で、調査期間は2009年4月1日~12月15日。

[広告]

 ランキングは、同社ウェブサイトで実施する「就職偏差値テスト」を基に大学3年生のデータを抽出し集計したもの。テストは4分野100問の試験を同サイト上で受験するもので、受験後ユーザーが属性と志望企業5社を選択すると就職偏差値やテスト結果、志望企業の筆記試験突破判定、その業界への適応率などの結果が郵送される。利用は無料。

 最新ランキングのサンプル数は1万8,053人(男性=1万1,055人、女性=6,998人)で、うち文系=1万1,447人、理系6,606人。

 調査結果は以下の通り。( )内は昨年同時期の順位。総合1位=ソニー(2位)、2位=三菱商事(5位)、3位=三菱東京UFJ銀行(1位)。昨年3位の電通は8位に、同4位の資生堂は9位に降下した。また、会社更生法が適用され上場廃止がささやかれる日本航空は昨年の29位から48位へと急降下が見られた。

 躍進が目立つのは、2位の三菱商事のほか、4位の三井物産(18位)、6位の丸紅(13位)、20位の住友商事(60位)の総合商社と、11位の三井住友銀行(22位)、15位のみずほフィナンシャルグループ(22位)などの銀行。これらの動向は「学生が安定や堅実を求めた結果や採用人数を維持していることなど、業界全体の企業イメージアップなどが考えられる」(ギジネスの園田雅江社長)。

 そのほか、NECが48位から28位へ、シャープが41位から30位へ、東芝が68位から32位へ、パナソニックが51位から30位へ、日本アイ・ビー・エムが64位から40位へなど、電気・情報機器系もそれぞれ大きくランクアップした。

 男子1位=ソニー(1位)、2位=三菱商事(4位)、3位=三井物産(14位)。人気企業のジャンルは総合ランキングに準じた結果で、昨年票を集めた広告業界は低迷気味の傾向。女子1位=資生堂(1位)、2位=JTB(3位)と三菱東京UFJ銀行(3位)。丸紅は14位から6位へ、三菱商事も20位から7位、三井物産は25位から8位とランクアップ、大手商社への支持が高まった。丸紅は十数年ぶりに一般職採用を再開したことも女子人気の一因とされる。

 文系1位=三菱東京UFJ銀行(1位)、2位=三菱商事(5位)、3位=三井物産(12位)。昨年人気だった広告・人材・教育・レジャーは下降気味で、安定堅実イメージの企業が支持を得た。理系1位=ソニー(1位)、2位=NTTドコモ(2位)、3位=三菱商事(14位)。メーカーのほか総合商社が上位に大きく躍進したほか、任天堂17位(69位)、マイクロソフト24位(60位)、ミクシィ35位(148位)なども順位を上げた。

 今年の特徴は、就職活動開始時期の早期化や総合商社など、堅実な企業への志望が多いこと。総合商社が理系の学生にも人気なのは、「総合商社が投資型のビジネスモデルに注力していることへの認識の浸透では」と園田社長。

 2010年新卒(現4年生)の内定率が62.5%(2009年10月1日、厚生労働省・文部科学省2009年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査より)となり、就職「冬の時代」といわれている現在。2011年新卒の就活生の不安は大きく、就職活動開始時期は例年より早まり、夏休み前から真剣度も高いという。

 「学生はあまりにも情報に踊らされている感がある。厳選選抜傾向にはあるが、バブル崩壊後の『就職氷河期』とは違い、募集人数はある。数字的には就職できるので、あまり内定を取るためだけの就活に走らず、落ち着いてほしい」とも。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース