虎ノ門の金刀比羅宮(港区虎ノ門1)で1月10日、一般社団法人「江戸消防記念会」の会員ら300人が毎年恒例の「正式参拝」行事を行った。
同会が40年以上前から毎年1月10日に行っているという「正式参拝」。明治時代以降支部消防組の半纏(はんてん)となった「役半纏」を羽織った会員らが全員で一年の感謝や安全、無事などを願う。
江戸消防記念会事務局長の須藤晃二さんによると、江戸時代、江戸では火消が第一區(く)から第六區まで区切られエリアごとに活躍し、虎ノ門近辺のエリアは第二區に該当した(明治時代に「第二大区」と変わる)。年明け後、彼らが同所で「出初式」を行っていた名残から、1月10日に正式参拝をするようになったといい、現在の形になったのは約40年前という。
今年は300人が出席し、ご当地キャラクターの「カモ虎課長」も駆け付けた。境内では江戸消防記念会の各区会員が集合し、「木遣(きやり)の唄」の後、八木健雄会長の合図で手締めを行い、会員の安全や無事を祈った。
須藤さんは「かつては今年の数倍の会員が集合した行事だったが、人口減少などで会員の数も年々減っている。毎年参拝することで、伝統を残し後世に伝えられればと思っている。一番は街の安全と安心を願っている」と話す。