虎ノ門の複合施設「FORESTA虎ノ門」(港区虎ノ門1)で2月3日、宮崎県綾町産の落花生による豆まきが行われた。
豆まきは1月31日から開催されている「日本で最も美しい村連合」後援の宮崎県綾町主催イベントの一環。宮崎県では節分の際、いり大豆ではなく殻付きの落花生をまく。同町企画財政課の橋口さんは「つい最近まで大豆をまくところがあるとは知らなかった」話す。しきたりはほぼ同じで、「鬼は外、福は内」で落花生をまき、年の数だけ食べる。中身が2個の場合もあるが、殻1つを1歳と数えるという。
当日は同町の横山文也副町長も駆け付け、殻付き落花生と紅白餅をまいたほか、道行く人々にも振る舞った。このほか同館の内外では、ワインかすを飼料に加えて飼育した「綾ぶどう豚」や「綾牛」の炭火焼きの試食販売、芋焼酎の試飲販売、「農家の主婦が自家製有機野菜を使って手作りした「にんじんジャム」「たまねぎジャム」など、同町農産加工品も販売。移住相談窓口も開設し、「日本一の照葉樹林都市」をPRした。
人口約7,300人、面積約95平方キロメートルの同町は、口蹄疫(昨年8月27日に終息)の移動制限区域となり大きな打撃を被った。「こうして発信していくことが、綾町と宮崎県の活性化につながる」と今回のイベントを企画。しかしその後、再び鳥インフルエンザの移動制限区域となり、さらに追い打ちをかけるように新燃岳が噴火。葉物野菜やビニールハウスへの降灰で作物の品質が劣化した。「農業が主要産業の町だけに、多くの町民が厳しい状況にいる」と橋口さんは顔を曇らせる。「どうして宮崎ばかり…という気持ちもあったが、もう一度牛を飼うなど負けずに頑張っている。このイベントで勢いをつけたい」。
食品の展示販売は4日も18時ごろまで行う。