ドイツビールとワインの輸入卸事業を展開する「ザート商会」(港区虎ノ門3)は3月10日、ドイツで行われている世界最大のワイン祭り「ヴルストマルクト」を日本で開催することを明らかにし、11日に同社が経営するダイニングレストラン「フランツクラブ浜松町」(港区海岸1)で会見を開いた。
ドイツ・ワイン街道の小さな町バート・デュルクハイムで毎年9月に行われるヴルストマルクトは、期間中約60万人が訪れる有名な祭りで、今年594回目を数える。巡礼者のためにソーセージやワインの市を立てたのが始まり。「ヴルストマルクト」は「ソーセージ市」を意味するドイツ語で、ワインとともに莫大な量のソーセージが消費されることから名付けられた。会場では歴史ある数多くのワインスタンドやワイン村、ビアホールなどを設け、さまざまなワインを試飲できる。そのほか、ライブ演奏や移動遊園地、アトラクションなども用意し大きな盛り上がりをみせるという。
今里尚史社長は、かねてより同イベントを日本で実現化する構想を温めていたが、きっかけとなったのはドイツで2008年にドイツワイン基金が開催した「日本におけるドイツワイン事情」のプレゼンテーションだった。同社の能勢壬紀子専務のスピーチにワイン蔵元「バルタザール・レス」4代目当主でワイン団体や協同組合で重要なポストを担うシュテファン・レスさんが共感。レスさんが架け橋となって同イベントが実現したという。
会見にはレスさんも来日し、イベントやワインに関するさまざまな質問に答えた。レスさんは「このイベントは、ワインそのものの楽しみを探ってゆく素晴らしいもの」と話す。「ワインはコミュニケーションの一つ。今回のイベントでは、どのようにしてコミュニケーションの場を提供するかを提案していく」とも。今里社長は「ヴルストマルクトは非常におおらかな祭り。酒を通してその文化を伝え、ワインのハードルを下げて普及させたい。このイベントをオープンマインドで楽しんでいただければ」と意気込みをみせる。
開催時期はゴールデンウィークで、六本木を会場に行う予定。詳細は4月中に発表する。