新橋SL広場前の「ステージファロ」(港区新橋2、ファロシティビル2階)で11月28日夜、トリビュートバンドによるザ・ローリング・ストーンズの名曲ライブが行われた。同ライブは12月5日から公開されるストーンズのドキュメンタリー映画「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」(配給=東北新社)のプロモーションの一環。
19時、同映画の冒頭シーンの上映が始まると、帰宅途中のビジネスマンらは次々と足を止め、ファロシティの大型スクリーンに見入った。劇中の目玉であるビーコン・シアターでのライブ開始シーンに続き、「最初の曲は」というMCと同時にストーンズのトリビュートバンド「THE BEGGARS」が登場。「悲しみのアンジー」「サティスファクション」「ブラウン・シュガー」などアンコールを含む7曲を演奏した。
同ライブイベントの目的は「オヤジたちを応援するため」(同)。平均年齢64歳というストーンズのメンバーは、ボーカルのミック・ジャガー(65)をはじめ、45年前のデビュー当時から変わらぬ体形とパワフルさを誇る。その同バンドにちなみ、「メタボも撃退!ボーナスがカットダウンされてもめげない!元気をストーンズから盗め!」をうたい文句に企画された。
ライブを行った「THE BEGGARS」は、日本ローリング・ストーンズ・ファンクラブ公認のトリビュートバンド。ボーカルの「ミック・ジャガリコ」さんら5人のメンバーは平均年齢54歳でまさしく「オヤジ世代」だが、本家と変わらぬ機敏なパフォーマンスで会場を魅了した。観客は女性も含む30~60代と見られるビジネスマンが中心で、中にはストーンズさながらの「ロックオヤジ」の姿も。
会場では関連チラシのほか、iTunesで同作品の好みのサントラ曲1曲をダウンロードできる「iTunes ギフトカード」も無料配布された。ストーンズのキース・リチャーズの大ファンで、ニュー新橋ビル3階で「ザ・美容室 スーパーキース・インターナショナル」を30年経営する自称「新橋のキース」さんは、「ライブはゲリラ的で全く知らなかった。映画はもちろん行く」と残念そうに話す。
同作品は、バンド結成約半世紀のストーンズと「タクシードライバー」「グッドフェローズ」などを手掛けた映画界の巨匠マーティン・スコセッシ監督という豪華な取り合わせで、公開決定前から話題を呼んでいた。撮影には18台のカメラを駆使し、「ストーンズの汗が見えるほどの接写を取り入れた迫力のライブシーン」(同映画広報)が見せ場となっている。