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新橋のウクライナ避難民スタッフのレストラン「スマチノーゴ」が1日復活

「スマチノーゴ」最終営業日の様子(写真提供=TAKANEさん)

「スマチノーゴ」最終営業日の様子(写真提供=TAKANEさん)

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 2023年まで新橋で営業していたウクライナ料理店「ウクライナ避難民が働くレストラン、スマチノーゴ」が10月21日、新橋「カフェピアッザ」(港区新橋3)で1日限定復活イベントを行う。

「キーウ風カツレツ」

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 ウクライナ避難民がスタッフとして働き、ウクライナ料理やウクライナ人スタッフとの交流が楽しめる場所として2022年9月7日にオープンした同店。店名は「おいしく召し上がれ」を意味するウクライナ語が由来。

 「スマチノーゴ」オーナーで、アーティスト・俳優のTAKANEさんによると、営業当時は、新橋?虎ノ門エリアの人たちや、遠方から来店する人、ウクライナ人やその他の外国人が「スマチノーゴ」で働く避難民の応援のため店に通っており、世界情勢に強い関心を持つ日本や外国の政治家たちの来店もあったという。

 TAKANEさんは「避難民たちに対し、温かい言葉をかけてくれる人が多く、それが何よりありがたかった。継続的に来店してくれる人も多く、片言のウクライナ語で話しかけてくれる人、菓子や花などを差し入れてくれる人、支援金を寄せる人、無償でコンサートなどに招待してくれる人、ウクライナ語で励ましの歌を歌ってくれる人もいた。お客さまのそれらの温かい気持ちに基づく行動が、避難してきたばかりで強い不安と憂鬱(ゆううつ)を抱えていたスタッフたちの心を、大いに慰め、勇気づけてくれ、日本での避難生活において大きな安心感を得ることにつながった」と話す。

 「スマチノーゴ」は、避難生活が長期化する中で、従業員が家族に再会するためなどの理由で母国に一時帰国したり、長期的に帰国したりするようになり、人手不足を理由に2023年9月30日に閉店。閉店後は、7人いたウクライナ避難民スタッフのうち4人が東京で再就職。4人のうち3人は同店で培ったスキルを生かし飲食店で働き、1人は客の紹介で就職を果たした。このほか、TAKANEさんやスタッフたちによるユーチューブ番組「スマチノーゴの料理教室」の配信を今年8月まで行っていた。

 同番組の配信終了後も、定期的にスタッフが集まり、再びお客さんのために料理を作ろうとの思いの下、1日限定復活イベントを企画。会場となる「カフェピアッザ」から提案があり、イベント開催へとつながった。

 復活イベントでは、ウクライナ避難民が作るウクライナ家庭料理7点盛りとウクライナワインを用意。避難民たちは、民族衣装のヴィシヴァンカを着て接客する。提供料理の多くは、「スマチノーゴの料理教室」で紹介しているもので、「クルチェニキ(牛肉のキノコ巻き)」「赤玉ねぎと豚肉のサラダ」「フィッシュボール」「キーウ風カツレツ」などを用意する。

 TAKANEさんは「久しぶりに新橋のお客さまたちに料理を作り提供できることを、皆とても楽しみにし張り切っている。お客さまたちと再会できることも大変楽しみにしているので、再び足を運んでもらいたい。『スマチノーゴ』を知らなかったお客さまにもいらしてもらい、ウクライナ避難民に直接会って、ウクライナ料理を発見し、支援に関心を持ってもらえたら」と話す。

 開催時間は16時30分~19時30分。価格は2,500円。定員は先着45人。

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