新橋の和菓子店「新正堂」(港区新橋4、TEL 03-3431-2512)が3月14日、「切腹最中の日」を記念して切腹最中を200円で販売し、店の前に行列ができた。
同店は1912(大正元)年創業。初代店舗は、奥州一之関藩・田村右京太夫上屋敷(通称=田村邸)跡地内にあった。田村邸は忠臣蔵の発端となった播州赤穂藩主・浅野内匠頭長矩候切腹の地であることから、3代目店主・渡辺仁久さんのアイデアで1990(平成2)年から「切腹最中」(270円)の販売を始めた。
謝罪の手土産などとして知られる「切腹最中」は、切腹をイメージし、皮からあんこをはみ出させ、包装には鉢巻きをイメージした帯を巻いている。3月14日は浅野内匠頭が切腹した日で、日本記念日協会により2009(平成21)年に「切腹最中の日」に認定された。
記念日当日のにぎわいについて同店広報担当の渡辺愛さんは「今年は切腹最中を4500個用意し、新しく定番に加わった抹茶や、限定の桜の切腹最中の販売も含め、お客さまの行列が絶えなく大きくにぎわった。『切腹最中の日』のにぎわいは、コロナ禍の時から考えると、大分回復してきたと言えるかと思う」と話す。
「この5年の間に、どうすればさらにお客さまに喜んでもらえるのかと従業員一同頭をひねり、日々さまざま模索し改善をしている中での今年の切腹最中の日だった」と振り返る。